射水市が誕生して3年の月日が経過した今、合併という大きな変化からくる一種の閉塞感なのか、虚脱感なのか、地域住民と行政が一体となって地域の活性化に取り組む強い意気込みや活動はかつてほどでなく、地域社会としての意識の薄れを感じている方も多いのではないでしょうか。
実際、私の住む地区でも幾度かの合併を経て「基礎的な地方公共団体」と言われる市町村単位で『射水市』となった今日、コンパクトで効率の良い大きさの「市」とは言え、問題の性質によっては住民の納得を十分に得られるほどの身近な単位として感じられない方も多いのが現状ではないかと思います。
一般的な場合、自治体を大きくすれば自治は遠のき周辺部は衰退する。なぜなら、自治体は効率論で資源を配分することが多いからで、行財政改革を進めなくてはならない現状からすれば当然のことと言わざるを得ないことだとも思います。
しかし、私はそうした悲観的感情論だけで『射水市』の現状や将来を述べるつもりはありません。こういう時こそ、このように意気消沈している地域こそあきらめず、旧町村単位でも校下単位でもいいから、自らが考え、提案し、住民の総意として実践していく地域的まとまりの単位をなしていく「コミュニティ」としてのあり方が重要になると思います。
今年の年頭の新聞記事で分家市長は次のように、今年の市政にかける思いを述べらるています。『市民協働のまちづくりに取り組む実践組織「地域振興会」の設置を本格化し、市内全域への浸透を図る。「故郷は自分たちの手でつくるという市民の意識を高め、これからの地方の時代を勝ち抜いていきたい。」(1月6日付 北日本新聞)
昨年12月定例会においても、「市民協働」につての質問がありましたが、自治会その他、地域の諸団体が構成する「地域振興会」を、今年度(平成20年度)」5か所のモデル地区に続き、来年度(平成21年度)は19か所の設立を予定だとのことであります。(残りの3地区に関しては平成22年度の設立を予定)
また、これまで生涯学習的活動拠点としての役割が大きかった地区公民館を、「地域振興会」が自主運営する活動的拠点としての地区センター化する方向性も示されました。
厳しい財政状況などから行政サービスが縮小・重点化する中で、その地域ごとの必要性に合った足らざる公共サービスの担い手として、「市民協働」の有力なパートナーとして「地域振興会」が期待されているのだと思います。
しかし、各地区「地域振興会」の現状は必ずしも当局の考え方とすべて一致しているとは限りません。むしろそれぞれの思惑がすれ違い、安易な実践は「安上がり行政の補完機能に過ぎない」と言われないよう、役所と住民そして議会がどう変わるのか、どう変わるべきなのか?ということをしっかり検証していく必要があると思います。