総面積109平方キロメートル余りの射水市の地勢を見た場合、南部には森林面積1,178ヘクタールの射水丘陵が広がっています。県内市町村の中でも森林率11%は決して多い方とは言えません。
近年、全国的な傾向として木材価格の低迷や担い手の減少など、林業の衰退による森林の荒廃が懸念されています。実際、私家の周りの里山を見ても、手入れをされない状態の森林が増え、山崩れの防止や水源の涵養、様々な野生生物の生息域としての能力、森林の二酸化炭素(CO2)吸収などによる地球温暖化の防止などといった公益的機能の低下が懸念されています。
今年度、射水市では「ふるさと雇用再生特別交付金事業」及び「緊急雇用創出事業」としての里山整備が実施されており、市内丘陵地の現状と将来への課題についての事業報告をいたします。
地域住民の皆さんにも喜ばれている森林空間整備事業
平成21年9月
鳥越浄水場向かいの丸山地内山林で、杉の木など植林部分における不用木伐採や低部の枝打ちなどの森林空間整備事業(今年度、整備面積 約3ha)が実施されました。
ここは曲がりくねった坂道のうえ道幅もあまり広くなく、特に冬場の通行時に苦労をする箇所でしたので、地元住民の皆さんからも大変喜ばれています。
また、この山の高速道路を挟んだ反対側には、過去に熊の目撃情報もあったところなので、こうした下草などの伐採により安心性の確保と動物たちとの共生がはかられやすい環境整備だと感じています。
林内路網空間整備事業による竹林整備
平成21年12月
今年10月に行われた、串田新遺跡公園東面山林部における竹林整備事業(整備面積 約1ha)に引き続き、市道 生源寺〜山の谷線(通称 峰道路)西側での林道周辺の不用木伐採などの林内路網空間整備事業および荒町地区丘陵部における竹林の整備事業(両方合わせての整備面積 約5,3ha)が行われています。
この丘陵地のすそ野部分は、昔、畑作地だったそうでして、竹林部の除去作業に伴ない畑地の形状や細い通路跡がわかるような状態になりました。
事業はまだ継続中(降雪状況を見て)の段階ですが、関係する地元の皆さんの一部の方から、今後の維持及び利活用についての話が聞こえてくるようになりました。
想うこと
今回のふるさと雇用再生特別交付金事業などの里山整備事業については、予定では3年間の継続事業であり、今後とも伐採竹の処理や来年からのタケノコなどの管理方法と有効活用、伐採後の植林樹の検討等など地権者や地元の皆さんとの連携による「地域ぐるみ」での継続的事業につながることが望まれるものと考えるともに、この事業(緊急雇用創出事業など)を通じて、林業従事者など第1次産業者の育成につながるような支援制度の継続ができないものかと、私なりに思案しております。