質問文の全文および答弁の概要を掲載いたします。
また、発言のすべてについての「議事録」については、射水市議会ホームページの会議録で検索することができますが、12月定例会の掲載は2月末頃を予定しております。
平成21年12月定例会 「射水政志会」 代表質問
質問者 射水政志会 幹事長 高橋 久和
「射水政志会」の高橋久和でございます。
議長のお許しを頂きまして、発言をさせていただきます。
月日の経つのは早いもので、1か月前の11日は、選挙戦のちょうど中日でありました。
私を含めて26名の議員が、射水市を1つのエリアとした「大選挙区」で選ばれたわけでございます。
改選後、当初の会派届につきましたは、6会派の届け出がなされましたが、その後の代表者会議などを経て、「新政クラブ」「自民いみず」「市民創政会」「誠志会」の全員と、「民政会」の有志、合わせて5会派、18人が大同団結し「射水政志会」を結成致した次第でございます。
「射水政志会」といたしましては、それぞれ地元の皆様の声を市政の場に届けることは当然ではございますが、旧市町村の利害にはこだわらず、射水市のさらなる発展のために、市全体を広く見渡す視点を持って政策論議を重ねながら、議会刷新の姿勢を強く意識し、会派としての存在感を高めてまいりたいと考えておりますので、市民の皆様のご理解とご支援をお願いするものであります。
それでは、通告書に基づきまして「射水政志会」を代表して、9項目の質問をさせていただきます。
質問項目1、新市長の市政運営の基本的な考え方について
市長提案理由説明の中で『「みえる・わかる・わかり合える行政」を市政運営の基本姿勢として取り組む』との決意を述べられており、市長の政策公約「マニフェスト」においてでも『市民サービス分野』での「みえる・わかる・わかり合えるミーティングの開催」「行政の施策や予算などを市民の皆さんにわかりやすく、開示するための専門機関の設置」 『行政改革分野』での「市民の目線に立って政策を考えることのできる人材の育成」「部局長『政策宣言』の公開」などの事も述べられているわけですが、一度にすべての公約実施は無理としてでも、夏野市長の市政運営の基本方針である「みえる・わかる・わかり合える行政」の着実な第一歩を力強く踏み出すとともに、今度の選挙戦でのしこりを解消し、地域間における融和を図るためにも、具体的にまず何から始められようとされるのかお尋ねいたします。
また、提案理由説明の中で『このたびの市長選を通じ、多くの市民の皆さんと触れ合い、生の声をお聞きすることで、市民の皆様が何を求め何を必要としておられるのか、身をもって感じることができました。』と述べられていることからも、射水市誕生からの1期4年間の評価と反省がなければ、より効果的な2期目のスタートが切りづらいのではないかと思いますが、これまでの総括をどのように求められようとされるのか、合わせてお尋ねいたします。
提案理由説明の終わりでは『財源の確保が引き続き厳しいと予測されるなか、徹底した行財政改革を断行することで、より一層行政サービスの向上を図るとともに、限られた財源の中で、「選択と集中」で施策を重点化することにより、10年後、20年後の将来を見据えた、持続的で活力ある射水市を築いて参りたい』と結ばれているわけですが、本市誕生2期目であるこれからの4年間では「総合計画」に基づく都市基盤整備を確実に進める一方で、各地区にある重複した施設の統合や廃止、未利用地などの売却などを計画的に実施するなど「未来を託す次の世代への負担をできるだけ少なくするように、市有財産の運用状況をしっかりと精査し、無理な財政運用や不必要な歳出は行わない」といった強い想いと実行力が必要になる4年間だと考えますが、市長のご見解をお聞きしたいと思います。
答弁:夏野市長
高橋議員ご質問の新市長の市政運営の基本的な考え方についてお答えします。
先の提案理由説明でも申し上げましたが、本市は、恵まれた自然環境や物流の拠点としての基盤を有し、多くの潜在力と可能性を持っております。この潜在力や可能性を伸ばし、活力ある魅力ある射水を創り上げ、次代を担う人々へ引き継ぐことが、私に課せられた最大の使命であると考えております。
合併後の4年間、初代分家市長は、一体感の醸成、行財政改革に積極果敢に取り組まれました。その実績について、深く敬意を表するものであります。引き続き、私は、その成果を踏まえるとともに、この間、明らかになった諸課題に対し、射水市がさらに飛躍発展するよう解決に全力を尽くして参る所存です。
私は、市民と行政が、ともに力を合わせ、汗を流し、より良いまちづくり、より良いまちの仕組みづくりに取り組むための行政運営の基盤を確立することからはじめ、何よりも市民に信頼される市政の推進を図るものであります。
しかしながら一方では、議員ご指摘のように、今日の社会経済情勢は、先の見えない不透明な時代を迎えております。限られた財源の中で、本市の社会資本整備を図り、いかに市民が安心して暮らせるまちづくりを行うか、また、市民ニーズに応じた行政サービスを行うためには、施設の統廃合や未利用地の売却等を含めた行財政改革を、スピード感を持って取り組まなければならない課題として認識しており、市政運営の責任者としての使命でもあると考えております。
質問項目2、政策公約「マニフェスト」について
さて、今回の市長選挙では、それぞれの候補がしっかりとした政策公約を掲げられ、市民の皆さんの大きな判断材料となったことは明白で、射水市における「マニフェスト選挙」の始まりとなったような気がします。
そこで、夏野市長の政策公約「マニフェスト」についてでありますが、特に公約実現まで即実行、または1年以内と明記されたもの6項目についての詳細は新年度予算や組織改革などを経ないとスタートできないものが多いと思います。
例えば「365日24時間の窓口サービス」の実施に当たっては、便利になる事は市民の皆さんにも歓迎されるでしょうが、開店休業の状態では人件費や経費の無駄遣いと受け止められるでしょうし、「100人の精鋭職員を育成」については、精鋭職員を新規に雇い入れるのではなく、育成していくということであり時間もかかると思いますが、これからの地方分権時代で勝ち残るためにはぜひ必要なことだと思います。 少人数からでもしっかりとした理念の下、継続をしていくということで着実な広がりを得、100人と言わず全職員がプロフェッショナルとして業務に携わっていただきたいと思います。
こうした「市民サービス」「行政改革」ということを考えた場合、わが射水市も4年の月日が経過したことから、庁内組織の機構改革についても検討する必要性があるのではないかと考えます。
合併当初は協議会で話し合われたように、旧の5役所庁舎に上水道の関係での布目庁舎を加えた6庁舎が現在あるわけですが、行政センターを除く部署配置と業務の効率化を考えれば、たとえば布目庁舎施設における上水道管理は残しての、上下水道部と都市整備部の統合。市民環境部からの課税課および納税課の分離など組織機構の見直しを合わせて検討した方がより効果的だと考えますが、市長のご見解をお聞きしたいと思います。
また、今月2日の市長就任後初めての定例会見において「建設中止を打ち出した統合庁舎」については、「議論のたたき台となる資料を改めてまとめたうえで、市民との意見交換会をスタートさせたい。」との記事を見受けましたが、選挙前までの当局の考えでは、統合庁舎建設に関しては「射水市統合庁舎建設基本構想策定委員会」において協議中であり、当初、9月市議会までに「統合庁舎の機能や規模、複数の建設候補地についての議論をし、意見をまとめる予定であったものが、7月に開催された第3回の策定委員会のまとめとして「議論の後戻りはしないが、拙速に議論を進めることがあってはならず、論点を確認しながら進めていかなくてはならない。等など」ということで、引き続き慎重に協議をし、今年度中には基本構想を策定したいとの予定であったと記憶しております。
その後選挙が近付くにつれ、それぞれの「マニフェスト」において統合庁舎建設についての考え方の違いが明確になり、有権者の皆さんの、最大なる関心項目となったことも記憶に新しいことであります。
こうしたことから「庁舎問題」への取り組みこそが、夏野市長が掲げられる「みえる・わかる・わかり合える行政」という市政運営の基本姿勢で、最初に取り組まなくてはいけない「政策課題ではないか」と考えますが、広く議論を積み重ね、限られた時間の中で納得のいく結論を得るためにも、今後の対応と予定についてお尋ね致します。
そして何より、政策公約「マニフェスト」は有権者の皆さんとの契約書であり、提案理由説明においても『お示しした施策については、より効果的な実施方法を検討し、その実現に向けて全力を尽くして取り組む決意である』との強い姿勢を述べられ、既に実施しておられるもの、および今定例会に上程されたものもあるわけでありますが、地方財政厳しき折、予算執行を伴う政策課題の実施にあたっては、財源確保などについてしっかりとした説明が今後ますます必要になると思います。
政策公約「マニフェスト」の実現に向け、改めて市長のご見解をお聞きしたいと思います。
答弁:夏野市長
次に、ご質問の2点目の「政策公約「マニフェスト」について」のうち、「行政改革の視点から考えられる庁内の機構改革」についてお答えします。
市の組織機構改革については、合併以来、簡素で効率的な組織となるよう見直しが行われてきたと思っております。
そこで、私がマニフェストに掲げた「365日24時間の窓口サービス」については、市民の方々のニーズに応えるとともに、行政をより身近に感じていただける組織にしようということであり、「100人の精鋭」については、地域のニーズに対して、知恵を絞り、アイデアをどんどん出す職員を育てようという提案であります。
これらの施策の実現に当たっては、できるだけ新たなコストがかからないよう工夫したいと考えており、組織機構の見直しも必要になってくるものと思います。
また、簡素で効率的な組織を目指す中、全体として、組織のスリム化は当然進めなければなりません。一方、多様化・高度化する市民ニーズに応えて、組織として、役割・責任をしっかりと果たすことができるよう、補うべきところは一層強化・充実を図るなど常に見直しに努めなければならないと考えております。
このことから、議員のご意見も含めて、行政に求められているニーズに迅速かつ的確に対応できるよう、引き続き組織のあり方について検討していきたいと思います。
次に、統合庁舎に関する意見交換会についてお答えします。
統合庁舎の建設につきましては、改めて市民の皆さんのご意見を直接伺い、どのような方向に進むべきかを判断していかなければならないと考えております。そのため、現在、市民の皆さんがしっかり判断できるよう、今一度これまでの資料にある数値を精査し、また、いろいろなケースを想定しながら新たな資料づくりを行うよう指示したところであり、それらを明らかにした上で、できるだけ早期にタウンミーティングなどを開催して参りたいと考えております。
なお、このことについては、大変重要かつ難しい問題でもありますので、議員の皆さんとも相談しながら進むべき方向を固めて参りたいと考えております
次に、マニフェスト実施に伴う財源の確保についてお答えします。
現在の社会経済情勢の中にあって、限られた財源を有効に活用しながら、私のマニフェストの新たな施策を実現するためには、早急に事業の廃止や縮減をも含め、再度事業の検証を行うとともに、既存事業との調整や事業優先度の設定等を行うなど、「選択と集中」を徹底し、財源の確保に努めて参ります。
質問項目3、平成22年度の予算編成について
鳩山内閣は今年度の補正予算の見直しで3兆円弱を凍結し、来年度予算についてもさらに悪化しそうな景気刺激策として、即効性が一番期待できる公共事業などを大幅にカットすると言われております。
先の「行政刷新会議による事業仕分け」を見ていても、無駄の洗い出しを目的とした仕分け作業が公開の場で行われ、これまで国民には見えづらかった予算編成にも注目と関心を持たせたことは画期的といえるかもしれませんが、予算削減ありきの政治ショウという見方もできたのではないでしょうか。
日本経済は前政権の景気対策と外需回復で、今年7〜9月期の 国内総生産(GDP)でもプラス成長を示していた矢先だけに、物価下落が経済停滞を招くデフレも深刻になっている現状から、さらなる経済等の冷え込みを加速させるのではないかと心配になります。
政権公約に盛り込んだ目玉政策の財源を得るために躍起になって、凍結や事業カットが続けば、景気をさらに悪化させることにもつながり「マニフェスト不況」に陥る事にでもなれば本末転倒だと言わざるをえません。
こうしたことで一番影響を左右されやすいのが地方財政や地方経済であるという現状を考えれば「政策の目線を公約優先から、景気優先に切り替える時期に来ているのではないか」と考えるのは、私だけでしょうか。
さて、本市における平成22年度の予算編成についてでありますが、市長提案理由説明の中にも『現在、平成22年度の予算作業を間近に控え、低迷する経済状況や少子化・超高齢化社会の進行などから、多様化する市民ニーズに応じた行政サービスに必要な財源確保は、引き続き厳しいものと考えられる』とあったわけであります。
通年ベースで考えますとこの時期には来年度予算に対するシーリング枠が示され、担当部署での概算要求算定の最中であろうと思います。今年は、当然選挙の影響もあったわけですが、射水市の停滞のない発展と、市民の皆さんの安定した生活を維持するためにも、しっかりとした予算編成が望まれます。
しかしながら、先ほども少し触れさせていただきましたように、わが射水市のみならず、全国の地方自治体を取り巻く財政及び経済状況は大変厳しく、昨年末の金融危機以降の景気や雇用情勢の悪化などを考えれば、来年度の市税の減収は避けられないのが現状でありましょうし、政権交代によりこれまでの枠組みが大きく変わっている状況の中で、国などからの交付金などの減額、事業の移管及び廃止などが予想されるとともに、今後の地方交付税や税制度改正などの地方財政対策がどのように実施されるのか、不透明な部分が多い状況下での「平成22年度予算の編成」は大変に難しいものがあると予測されますが、現時点での編成状況と想定される予算概要、市税や地方交付税、交付金など歳入面の予測、そして、経常的支出および投資的支出に対する基本的な考え方をお聞きしたいと思います。
また、先ほどの政策公約「マニフェスト」の質問とも関係いたしますが、夏野市長がどこの予算に重点配分されようとしておられるのか、私のみならず多くの市民の皆さんの関心事ではないかと思いますので、このことにつきましても市長のご見解をお聞きしたいと思います。
先にも少し触れましたが、つい一か月くらい前までは、今年7月から9月期の国内総生産(GDP)の実質成長率が、年率1,3%ほどの伸びを見せ、日本経済が一時的でも持ち直しの兆しが見えたかのように感じられましたが、逆な見方をすれば日本経済のデフレ傾向の強まりとも取れたわけで、つい先日の「デフレ認定」について「いまさら何を言っているのか・・・」と受け止められた方も多かったのではないでしょうか。
ちょうど1年前の年末には、特に製造業での派遣切りが続き「年越し派遣村」ができたことも記憶に残っていますが、1年たった今、雇用情勢は一段と厳しさを増しており、来春卒業を迎えられる大卒予定者の就職内定率は、10月現在で約60%と低迷しており、高卒予定者の就職状況もさらに厳しい現状とお聞きします。
総務省の発表によれば、10月の完全失業者数は344万人で、完全失業率は5,1%。 全国の有効求人倍率も0,44倍と、低水準が続いている現状を受け、政府は今月8日、追加経済対策7兆2千億円を閣議決定し、円高やデフレによる景気失速の回避を目指しておりますが、どれだけの効果が期待できるのか、先行きがわかりづらく、特にこうした景気や雇用のしわ寄せを受けやすい地方経済には、大変厳しい状況が続くと考えられますが、本市における経済及び雇用状況の把握と、新年度予算編成に関わる対策としての取り組みについてお尋ねを致します。
答弁:夏野市長
次に、平成22年度予算編成についてお答えします。
議員ご指摘のとおり、現在の社会経済のもとでは、平成22年度の市税収入は、平成21年度と比較しても大幅に減額となると予想しています。また、国において、地方交付税制度の抜本的な見直しやガソリン税等の暫定税率の廃止をはじめとした税制改正等が検討されていますが、その方針が具体的に示されていないことから、不透明な状況です。仮にそれらが実行されれば、地方財政への影響は、大変大きなものがあると考えています。
このような厳しい財政運営が予想される中においても、市がなすべき役割はしっかりと果たし、将来の世代に引き継いでいかなければなりません。
このことから、平成22年度予算編成に当たっては、「予算は、真に必要なものに使うため、身を削り捻出するもの」という発想のもと、既存の施策について再度検証して参ります。また、私のマニフェストに掲げた施策についても、既存事業との調整や効果的な実施方法の検討を行うとともに、景気や雇用対策等緊急性の高い事業や福祉、教育等市民生活に直結する各分野に予算を重点配分するなど、市民の信頼と期待に応える予算となるよう全力を尽くして参ります。
答弁:米本産業経済部長
議員ご質問の3点目「平成22年度予算編成について」のうち、「景気低迷に関する市内の経済状況の把握とその対策」についてお答えします。
内閣府が11月20日に公表した月例経済報告によりますと、我が国経済の景気は、「持ち直してきているが、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。」としております。
また、地域経済においても不透明感が強く、回復への道のりは厳しいとみられております。
本市では、こうした厳しい経済状況に対応するため、市内企業の実態把握と効果的な対策を講じる目的で「企業動向アンケート調査」を実施し、現在取りまとめを進めているところであります。
その調査の概要では、平成21年度下期の売り上げ見込みが、「2割未満減少する」又は「2割以上減少する」と回答した企業が合わせて61.4%、平成21年度下期の経常利益見込みが、「2割未満減少する」又は「2割以上減少する」と回答した企業が合わせて68.5%と多数を占めており、「従業員が過剰・やや過剰である」と回答した企業が合わせて33.7%となっております。
また、「景気後退局面から回復する時期」について、「わからない」が58.0%と最も多く、次いで「平成22年度後半」が17.6%と回答していることなどから、市内経済は依然厳しい状況にあり、先行きが見えない不透明な状況にあると考えております。
この厳しい状況のなか、金融対策として、平成20年12月に創設した、緊急融資「経済変動対策枠」の期間延長、借り換え資金として利用できる「緊急経営改善資金」の要件緩和及びその期間の延長、融資利用者に対する保証料の全額助成期間の延長、預託額の増額による融資利用枠の拡大など平成22年度においても実施できるよう検討しているところであります。
また、雇用対策として、国の交付金を利用した「緊急雇用創出事業」及び「ふるさと雇用再生特別交付金事業」による新たな雇用創出に全庁挙げて積極的に取り組むとともに、本年度創設しました、「雇用安定化助成金」及び「離職者能力再開発訓練奨励金」の継続実施ができるよう検討しているところであります。
さらに、若年者等の雇用対策としては、本年7月に高岡公共職業安定所長と私が商工会議所及び商工会などへ出向き、「新規学卒者に対する求人の確保」についての要請文を手渡し、市内企業で求人の確保が促進されるよう強く要望したところであります。加えて、国の「若年者等正規雇用化特別奨励金」など雇用関係各種助成金制度についても引き続き市内企業へ周知を図ってまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、今後とも引き続き金融・雇用対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
質問項目4、財政計画の検証と見直しについて
政権移行後、無駄の洗い出しを目的とした「行政刷新会議による事業仕分け」により、抜本的見直しとされた地方交付税など地方財政を取り巻く環境は、今後さらに大きな変化と厳しさを増すように感じられます。
その一方で、本市においても総合計画に基づく大規模事業の実施や教育施設の耐震化・大規模改修などが、国の指導もあり、計画の前倒し事業として着手されている現在の状況や、新市長が誕生し、新たに市政運営を始めようとされている現況を考えれば、こうした時こそ「必要に応じて」といわれる財政計画の見直し時期ではないでしょうか。
本市総合計画においても、「実施計画は、社会情勢の変化などに応じ、見直しをかけながら、施策の実効性の確保に努める・・・」とあるように、来年の22年度が前期計画の最終年ではありますが、これまでに実施した事務事業の徹底した評価を行い、特に事業実施における合併特例債起債状況などの検証と、今後の収入見込み及び経常的に必要とされる財政需要を把握するとともに、「新市長の政策公約「マニフェスト」を加えた各種施策や事業を、いつの時点で、どの程度取り込むことが可能かどうかのシュミレーション」も含めて、新たなまちづくりを進めるうえで、財政運営の指針となる事を目的としての中長期財政計画の見直しが必要と考えますが、当局の見解をお聞きしたいと思います。
答弁:宮田企画総務部長
議員ご質問の4点目、財政計画の検証と見直しについてお答えします。
議員ご指摘のとおり、地方財政を取り巻く環境は、以前にも増して大変厳しい状況にあります。このような中、平成20年度から現在まで、総合計画に示された事業においても、国の補正予算関連事業や本市の経済危機対策として、事業年度を前倒しで実施するなど弾力的に運用して参りました。
こうしたことから、総合計画に示された事業や財政見通しについても差異が生じてきており、事業内容や財源を含め見直す状況にあると考えております。
ところで、平成22年度は、総合計画実施計画の中期、後期の事業計画の見直し、いわゆるローリングを行う年度と位置付けており、併せて財政見通しの見直しも行うこととしております。
その際、健全化判断比率等各種財政指標のさらなる健全化の視点はもちろん、持続可能な財政構造の構築を図る観点から、総合計画に示された事業についても、その必要性等を厳しく精査し、事業の展開を図る必要があると考えております。また、市長のマニフェストに掲げられた施策についても、既存事業や実施方法など調整を行い、計画的に推進して参る考えであります。
質問項目5、射水市の都市像について
合併後のまちづくりの指針として策定された「射水市総合計画」において、現在市内にあるとされる3ヶ所の既成市街地の問題点が指摘され、住宅地での民間開発や、土地区画整理事業などの促進、商業地域での中心市街地活性化基本計画の策定による対応など、市街地形成の方向性が述べられておりますが、「射水市」として既成市街地の現状把握と将来的再編・発展の方向性をどのように考えておられるのかお尋ねいたします。
また、「射水市」はそのほとんどが富山高岡広域都市計画区域であり、市街化調整区域内での開発行為が規制をされているわけで、富山と高岡両市の間で埋没しないよう、将来の都市像をしっかりと計画していく必要性があると考えます。
合併前は、旧5市町村として、この広域都市計画内での検討を余儀なくされていたわけですが、「射水市」となった今だからこそ、その合併効果が表れるように、射水市としての土地利用についての方向付けがより重要になってくると思います。
そうしたことから、今年度策定される都市計画マスタープランや来年度にかけての経年で策定中の住宅マスタープランでの検討状況はどのように進んでいるのかお尋ねいたします。
また、合併前の旧5市町村が決定から長年着手していない都市計画道路の整備方針を「射水市」として見直す必要性が来ているのではないかと考えますが、あわせて当局の見解をお聞きしたいと思います。
答弁:小井都市整備部長
ご質問の5番目、射水市の将来像についてお答えいたします。
まず、1点目の既成市街地の現状と将来的再編の方向性についてですが、本市の既成市街地としては、新湊地区の市街地、JR小杉駅を中心とした小杉地区、そしてJR越中大門駅を中心とした大門・大島地区の3箇所に大別されています。
これら既成市街地は、これまでの歴史と伝統文化を活かした個性あふれるまちづくりを進めてきた経緯がありますが近年の少子高齢化や郊外店の進出による既存商店街の減少など市街地の衰退が懸念されています。
将来の射水市においても、人口の伸び悩み、あるいは減少が予想される中、ご指摘の民間開発や土地区画整理事業などの促進、商業地域での中心市街地活性化基本計画の策定による対応などを視野に入れながら、街なかへの定住促進や地域住民の生活に密着した、賑わいある商店街の充実に努めるほか、既成市街地の空洞化対策が必要と考えています。
また、市の一体感の醸成の観点からも、既成市街地相互の連携を図る為、幹線道路網の整備や、富山・高岡両市と有機的に結ぶ都市計画道路七美太閤山・太閤山高岡線など市の外郭となるネットワークを形成する都市環状軸の強化を図り、地域特性を活かした土地利用と均衡のとれたまちづくりを推進します。
一方、有効な土地利用の活用については、調整区域における過度の開発を抑制し、自然との共生を図りつつ、既成市街地を中心に都市機能を充実させるとともに、市民との協働により、地域に根ざした居住環境の向上を図り、安全・安心なまちづくり・住んでみたい・住み続けたいまちの実現を目指していきたいと考えています。
次に2点目の土地利用に関する都市計画マスタープランや住宅マスタープランでの検討状況についてお答えいたします。
まず、都市計画マスタープランについては、射水市のまちづくりの理念となる射水市総合計画を上位計画として、市全体の都市計画に関する基本的な方針を定めるものであり、
射水市において実現すべき都市の将来像として、農地や住宅地などの土地利用、そして道路、公園などの都市施設整備のあり方などに関する基本方針を定め、まちづくりの方向性を明らかにすることを目的としております。そして、おおむね20年後の都市の姿を展望しつつ、都市計画の具体的な方針を策定するものであります。
御質問の策定状況でありますが、これまで市全体での統一性や公平性が求められる総合的な整備方針に関する全体構想の策定を終え、今年度は地域ごとの目指すべきまちづくりの考え方や整備方針などを示す、地域別構想の策定を行っているところであります。
具体的には、これまでの旧5市町村に限定せず、現在の土地利用状況を踏まえ、市を9つの地域に分け、それぞれの特色を活かして、より身近なまちづくりの目標や方針を定め、市民の考えが十分に活かされた計画となるよう努めており、本市の持つ地理的利点や豊かな自然環境を活用しながら、個性豊かな魅力あるまちづくりを進めていきたいと考えています。そして、今年度末までには本市の目指すべき都市の将来像を描いた射水市都市計画マスタープランを策定する予定にしています。
次に、住宅マスタープランにつきましては、平成18年度に住生活基本法が制定されて以来、プランの名称が「住まい・まちづくり計画」と改められております。
射水市住まい・まちづくり計画は、計画期間を10年間とし、本市の住宅施策を総合的に推進するための理念や目標、基本的な方向性を示すものであります。
現在の状況につきましては、本年度に、射水市住まい・まちづくり計画策定委員会を設置し、富山県住まい・まちづくり計画や射水市総合計画等の上位計画を踏まえ、合併前のそれぞれの市町村における各種計画を受け継ぎつつ、本市における現況調査を現在行っております。
また、平成22年度に、今年度の調査を踏まえ、施策の基本理念、方針等を定めて、本計画を策定する予定としております。
次に、ご質問の3点目、「都市計画道路の整備方針の見直しについて」お答えいたします。
射水市内における都市計画道路は、現在33路線、総延長約86キロメートルであり、このうちのおよそ8割にあたる約68キロメートルが整備済である一方、未整備の延長が約16キロメートルとなっております。
見直しについては、平成19年3月に、県が作成したガイドラインにより、未着手路線等の再評価を実施しております。このガイドラインによると、必要性が低いとされた路線についても、地域の防災の観点から必要な道路であるとの評価がなされる場合があり、路線の廃止を含めた見直しを行う場合には代替路線の検討を併せて行うこととされております。
しかしながら、都市計画道路を取り巻く社会情勢が変化していることから、全国的にも見直しに関する取り組みが行われるようになっており、当市としても今後見直しに向けて検討を行っていきたいと考えております。
質問項目6、市民病院の運営について
県内の公立病院の多くが平成20年度決算で、赤字の経営状況との記事を見ました。
その要因としては患者数の減少や診療報酬のマイナス改定などがあげられ、医師、看護師不足が深刻な病院は診療体制の縮小でさらに患者数が減り、収入減を招くといった悪循環に陥っているとのことであります。
わが射水市民病院の平成20年度決算についても、3億9千万円余りの純損益であり累積赤字も13億円余りとなっているのが現状であります。
こうした状況の中で、財政状況(貸借対照表)の数値的にも悪化が目立ってきたと思われます。
たとえば、正味運転資金対照表において1億4千万円余りの不良債務が発生していたり、経営分析項目においては自己資本構成比率が初めてマイナスになったことや、流動比率が100を切る78,2%ということなどからも、経営の安全性に赤信号がともり始めるとともに、支払いに対する借入が必要になり、返済すべき負債ばかりが増えてくる可能性が感じられるような経営状況と言えるのではないでしょうか。
合併から4年、「射水市」の公立病院としての機能を維持する為に、公費での負担はどこまで許されるのか。
昨年度公設民営化した金沢医科大氷見市民病院の改善例を考えれば、職員の意識改革と民間ノウハウの活用による経営感覚の導入など市民の皆さんの意見も聴きながら真剣に議論する時期に来ていると感じます。
こうした現状を考えれば、平成20年度に策定した病院改革プランに基づき、さらなる経費削減に努めると同時に、地域医療の中核的役割を担う病院としての連携や循環器科の特化型病院としての特色を十分に活かし、長期的な展望に立った経営の健全化を強く望むものでありますが、当局の見解をお聞きしたいと思います。
このように財政的には大変厳しい経営状況下ではありますが、去る、10月26日から導入された最新型コンピュータ断層撮影装置(CT)については、多くのメリットがあり、特に動きの速い心臓に関わる検査と診断能力の向上があるとのことですが、その反響と影響についてお尋ねしたいと思います。
また、ちょうど1年前の12月定例会においては、多くの議員の皆さんが、救急病棟整備に関しての質問をされていたと記憶いたしておりますが、当局における、その後の検討状況についても併せてお聞きしたいと思います。
答弁:山崎市民病院事務局長
議員ご質問の6点目、市民病院の運営についてのご質問にお答えいたします。
まず1点目の病院経営の健全化については、議員のご質問にもあるように県内のみならず全国の多くの公立病院が赤字経営の状況であり、当院においても平成20年度決算で3億9千万円あまりの純損失を計上し、流動比率も78.2パーセントとなるなど大変厳しい経営状況にあります。
この流動比率というのは、現金、預金などの流動資産を一時借入金などの流動負債で除したものであり、資金の流動性を示す指標であります。改善には、流動資産の増加または、流動負債の減少が必要であります。
そのためには、収益の増加を図ることが不可欠であり、昨年度策定した病院改革プランに従って市民に信頼される病院づくりを行い、患者増を図ることが最大の方策であると考えております。
とりわけ当院の特徴のひとつであります循環器医療の強化や、医師、看護師の確保が最大の課題であります。さらにいくつか例を挙げますと救急医療体制の整備、また、開業医との連携強化、DPCすなわち包括診療報酬支払い制度の導入、院内物流システムであるSPDによる診療材料費の削減、さらには、ジェネリック薬品の導入による薬品費の削減等があります。
経営を健全化するため、これらのことを院長以下職員一丸となって今後も取り組んでいきたいと考えているところであり、このことが市民の皆様に自分たちのまちの病院として信頼されることにも繋がるものと考えております。
次に新型CT装置の導入による効果についてであります。
新しいマルチスライスCTを10月26日に導入したところであります。
このCTは撮影時間が0.27秒とたいへん高速であり、また高解像度であるため、これまで難しかった動きの速い心臓の撮影も可能になり、患部の細かいところまで明瞭に見ることができ、当院で多数行われている冠動脈のカテーテル治療に大いに役立っているところであります。
市報やケーブルテレビ等でPRしているところであり、新聞・テレビ等にも取り上げられ、県内外からたくさんの問い合わせがくるなど、その反響の大きさに驚いているところであります。
また、他の病院や診療所からの紹介患者も増加し、とりわけ以前はなかった冠動脈CT撮影についても11月には13件の紹介があり、さらには、視察の問い合わせもきており、医療関係者からも注目されているところであります。
運用開始からまだ2か月足らずですが、11月の撮影件数は、630件であり、昨年同月と比べ82件、15パーセント増加している状況であります。
次に、救急病棟の整備でありますが、昨年の10月から医師の当直を夜10時まで内科系と外科系の2名体制とし、また、射水市救急隊との打合せを重ねるなどにより、救急の搬送件数は、約30パーセント増加している状況であります。
市民病院は市民の安全、安心を守る地域の中核病院であり、救急への対応は、まさにその使命の最たるものであると考えております。
今後も更なる救急対応の充実に努めていかなければなりません。そのために当面は医師、看護師の確保、医療機器の整備を重点的に行ってまいります。
今後救急搬送数等が増加し現在の施設での対応に支障が予想される段階で改めて救急棟の整備について検討したいと考えております。
質問項目7、新型インフルエンザについて
富山県内で1週間(第49週、11月30日〜12月6日)での、1医療機関あたりのインフルエンザ患者報告数の平均が37,38人となり、前周(43,06人)に比べ減少しましたが、引き続き国の定める「警報」の基準値(30人)を超えており、流行期の状態であるとのことですが、射水市内の保育園、幼稚園、小中学校におけるインフルエンザの感染状況はどのようになっているのでしょうか。
また射水市では、このような状況下のもと、こども達、園児、児童、生徒への重症化防止の観点から、新型インフルエンザワクチン接種に市が半額の助成をするという、今12月補正予算による対応の早さは十分評価できると考えます。
本年8月に策定された「新型インフルエンザ対策行動計画」の基本方針では「新型インフルエンザの発生・流行は、必ずしも予測された様に展開するものではないことが想定されることから、国及び県の指導に基づき、随時柔軟な「行動計画」の見直しを図っていくこともある」とのことでありましたが、当初想定されていたものとの違い及び現在の対応状況についてお尋ねいたします。
また、これからの季節、通常ならば季節性インフルエンザの流行時期になるわけでありますが、新型インフルエンザのことと合わせた感染予防策についてどのような啓発活動を考えておられるのか、あわせてお聞かせ下さい。
答弁:竹内福祉保健部長
「新型インフルエンザについて」のご質問の1点目、市内の保育園、幼稚園、小中学校での発生状況についてお答えします。
市内の保育園、幼稚園、小中学校の集団発生報告調査では、12月10日現在、約9割の施設で集団発生がみられ、その患者報告数の累計は約千六百七十七人となり、順次、学級閉鎖等の臨時休業措置がとられております。現在、県内は警報レベルを超えており、今後もしばらくは流行期が続くものと懸念されています。
県感染情報センターの統計によりますと、中学生以下の患者報告数が全体の約8割を占めていることから、本市では低所得者等に加え、1歳から中学校3年生までの若年層を対象としたワクチン接種の助成を行い、新型インフルエンザの重症化予防を図ることとしております。
次に2点目の「現状に応じた行動計画の見直し」について、お答えします。
本市の新型インフルエンザ対策行動計画は、鳥インフルエンザに由来する強毒性を念頭に、国・県の計画等と整合性を図り、策定したものであります。一方、今回の新型インフルエンザはブタに由来したもので感染力は強いものの、弱毒性であることが明らかになったことから、本市では急きょ、行動計画とは別に現状に応じた庁内関係課の対応マニュアルを策定し、対応してまいりました。
また、逐次、国・県の医療体制、監視体制等の運用指針が見直され、その指導や情報に基づき、迅速かつ的確な発生状況や予防対策、ワクチン接種等に関する情報提供など、努めているところであります。
次に3点目の「季節性インフルエンザの流行との関連について」お答えします。
今後、季節性インフルエンザの本格的な流行を迎える時期となり、新型インフルエンザと相まった状況が懸念されますが、新型も季節性も症状やその基本的な感染予防対策は同じであります。
このようなことから、まず、インフルエンザにかからないよう、うがい、手洗いによる感染予防の徹底に努め、症状がある場合は、咳エチケットの心がけや登校・出勤を控え、医療機関へ受診するなど、感染拡大の防止を市民に呼びかけてまいります。また、ワクチン接種などの国・県の情報等に基づき、冷静な行動をしていただくよう周知してまいります。
質問項目8、雨水対策基本計画について
当初の予定では、「平成21年度に現況調査を実施し、翌22年度に費用対効果も含めて整備の手法を決め策定する。」とのことだったと記憶しておりますが、今年度の調査結果では対策を必要とする 「対象箇所」がどれくらいあったのでしょうか。
また、最近の雨量状況を考えれば、この基本計画には排水及び流入量の抑制や農地を含む大地への涵養など、多角的な検討も必要かと思われるが、検討委員会での審議状況はどのようになっているのかお尋ねいたします。
今後、平成22年度の基本計画策定を受けて、危険度の高い箇所からの整備になろうかと考えられますが、事業整備されるまでの間、市民の皆さんへの安全・安心の確保をどのようになされようとされているのでしょうか。
さらには、先の「事業仕分け」により下水道事業が地方移管とされたところであり、この基本計画策定を受けての事業実施に当たっては、その影響がどの程度あると予測されるのか、現時点での当局の見解を併せてお聞きしたいと思います。
答弁:西本上下水道部長
議員ご質問の8番目、雨水対策基本計画についてのうち1点目、対象箇所を含む検討状況についてお答えします。
今年度から取り組んでおります雨水対策基本計画は、平成21・22年度の2ヵ年で策定することとしておりますが、今年度は、集中豪雨で浸水被害のあった昨年8月の17地区に、今年9月に新たに発生した4地区を加えた計21地区を重点的に調査し、計画策定に必要な基礎調査を実施しております。現在は、現地調査の結果を基に排水区域を整理し、浸水要因を分析しているところであります。
また、雨水対策検討委員会では、応急対策を推進するとともに、流出抑制や貯留施設の整備等についても協議しており、昨年の12月には公共施設の建設にあたって、流出抑制対策を講じるよう関係部局に通知しております。
基本計画の策定にあたっては、議員ご指摘のとおり、複合的な手法による施設整備が必要であり、関係部局と調整をとりながら検討委員会で協議してまいりたいと考えております。
次に、2点目の、整備されるまでの安全、安心の確保についてお答えいたします。
基本計画を策定し、施設整備であるハード事業が完成するまでには長期間を要します。この間にも集中豪雨が想定されることから、ソフト対策の一つとして、内水ハザードマップの作成を予定しております。集中豪雨に備えあらかじめ浸水が想定される地区を把握することで、防災関係部局が迅速に対応できることや、普段から住民のみなさんが浸水に対する意識を持ってもらうためにも、早い時期にこの内水ハザードマップを作成したいと考えております。
また、今年度は土のうを各庁舎や公民館などへ事前配置しましたが、地元からの要望も強く、来年度は今年度以上の配備を検討しており、行政と地域住民が情報を共有し、連携をとりながら浸水被害の軽減に努めてまいりたいと考えております。
次に、3点目の、事業仕分けによる今後の影響についてお答えいたします。
先般行われました行政刷新会議の事業仕分けにおきまして、下水道事業については、「財源を国から地方自治体に移したうえで、実施は各自治体の判断に任せる」との評価結果でありました。
現在、国の新年度予算をはじめ、事業の方向性がどのように示されるか情報収集に努めているところであります。
本市の下水道事業につきましても、浸水対策事業や老朽管改築事業など喫緊の事業を抱えており、今後の国の方針により事業期間や内容等が大きく左右されることから、県をはじめ関係機関からの情報を得ながら事業費の確保に努め、市民のみなさんが安全で安心して暮らせるまちづくりを目指してまいりたいと考えております。
質問項目9、農業政策の転換について
鳩山政権が新たな農業政策として、平成22年度から導入する戸別所得補償制度は、本市の農業にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
射水市においては、集落営農組合、認定農業者、個人農家等など、さまざまな経営形態での農業従事者が多い現状であると言えます。
特に、これまで行政も積極的に集落営農組合などの大規模化を推進してきた状況を考えた場合、経営形態別に考えられる本市農家への影響をどのように推測しておられるのか、先ず、お聞きしたいと思います。
また、県内では地産地消に対する関心の高まりや、野菜などの園芸作物の出荷量が全国的に見ても少ない現状などの影響もあり、 継続的な複合経営化が広がりつつあった状況だと感じておりましたが、今回の「水田利活用自給力向上事業」では、現在の転作作物助成制度における交付単価より低い水準の作物が多いことから、本当に農業自給力の向上につながるのか疑問な点も多いと考えられるのではないでしょうか。
また、制度のはっきりとした説明がなく、具体的な内容がわからないため、来年の生産計画を決めかねておられる農家の方もおられるのではないかと推測いたしますが、本市における生産調整及び転作作物への影響をお聞きいたします。
最後に、来年の収穫期以降でないとその影響がわかりかねると思いますが、補償を受け取らない代わりに自由にコメを作るという選択が可能になる「減反選択制」が投げかける問題点をお聞きするものであります。
答弁:米本産業経済部長
高橋議員ご質問の9番目、農業政策の転換についての一点目、経営形態別に考えられる戸別所得補償制度の導入による影響についてお答えいたします。
戸別所得補償制度の導入につきましては、平成23年度からの本格実施に向け、平成22年度に米だけを先行してモデル的に実施されるものでありますが、具体的な制度内容については国からは明確にされていない現状にあります。
また、これまで生産調整の実施に対し交付されてきた産地確立交付金が廃止され、新たに大麦や大豆等に対する助成として考えられている水田利活用自給力向上事業の助成額が明確にされていないことから、実際にはどの程度の影響があるかについては比較できないところであります。
また、この制度につきましては、生産調整実施者であることが制度の対象となる条件であり、これまで本市が取組んできた認定農業者の育成、集落営農の組織化や農地の集約化を後退させる制度とならないよう国や県に対し要望しているところであります。
次に、二点目の水田利活用自給力向上事業の事業効果の見通しについてお答えいたします。
この事業は、生産調整の実施にかかわらず、対象となる作物の作付けそのものに対し、一定の金額を交付しようとするものであります。
しかしながら、この制度についても平成23年度以降に戸別所得補償制度が大麦や大豆等に対しても適用されることとなった場合や複数の作物の組み合わせに対し、どのような単価で交付されるかについては明確にされていません。
また、その他の作物に対する助成は、大麦や大豆と比較して低い単価に設定されており、これまで市内経営体が進めてきた複合経営における園芸振興作物の作付けが縮小されることとならない仕組みづくりについて、関係機関と連携を密にし、国や県に対し強く申し入れて参ります。
次に、三点目の減反選択性への影響についてでありますが、先にも申し上げましたように、生産調整の実施は、戸別所得補償制度を適用するための条件となっておりますので、制度の適用を受けなければ生産調整をする必要がないとの考えが広がれば、米の価格は今以上に大きく下落し、農家への影響は大変大きなものになることが懸念されます。
本市においては、生産調整が始まって以来、一貫して全市で生産調整に取り組み、米の価格維持に貢献してきたところであり、この体制を堅持していかなければならないものと考えております。
なお、制度の詳細については、不透明な部分が多いので、関係機関との連絡を密にし、情報収集に努めて参りたいと考えております。