
「射水政志会」を代表して、質問をいたしました!
平成24年3月6日(火)
3月1日(木)から始まりました今定例会において、主として平成24年度予算や主要事業に関する「市長提案理由説明」等を受け、「射水政志会」【所属議員10名】を代表して質問をいたしました。
以下、代表質問の質問文及び答弁の概要について記載いたしますが、正式な議事録に関しましては、6月頃に閲覧(パソコンで、射水市議会へアクセスしていただければ)できると思います。
平成24年3月定例会 「射水政志会」 代表質問
質問者
射水政志会 会長 高橋 久和
議長のお許しをいただきまして、平成24年3月定例会における「射水政志会」を代表しての質問をさせていただきます。
(私の所感)
時の過ぎるのは早いもので、昨年の3月定例会において、本日と同じくこの席に立ち、質問をさせて頂いてから1年の月日が経過いたしました。
昨年は、ニュージーランド クライストチャーチで発生いたしました地震により、亡くなられた方のご冥福と被災された皆様へのお見舞いを申し上げ、本論である質問に入ったと記憶しておりますが、まさか、その後に、未曾有の出来事であります東日本大震災が起きようとは、誰も想像すらしていなかったことだと思います。
あらためて、亡くなられた皆様のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興を願うものであります。
この大震災と東京電力福島第一原発事故は、被災地のみならず、日本の地方行政の現場にも大きな影響を与え、住民サービスのあり方に大きなダメージと試練を与えたのではないかと感じております。
我が射水市におきましても、防災面は基より、将来を見据えて取組んでおります施策全般について、着実な成果を挙げ市民生活の向上につなげていくことが大切であろうと考えており、新年度予算にもそうしたことへの対応がなされているものと思っております。
それでは、あらためて通告書に従い、大項目9点について、「射水政志会」を代表し質問をさせていただきます。
質問項目1、平成24年度予算の特徴について
夏野市長は、今定例会「提案理由説明」予算編成の基本方針において『予算編成にあたっては、将来にわたっての健全財政の堅持を基本としながらも、「市民の暮らしの安全と安心の確保」を最優先に考え、施策の「選択と集中」を図るなど、限られた財源の有効かつ効果的な予算配分に努めた。』とされておりますが、個別の項目 以外の重点施策・主要事業の概要について質問をさせて頂きます。
【質問】
『東日本大震災で明らかになった課題に対し「災害に強いまちづくり」に積極的に予算配分をした。』・・・とありますが、
こうした今回の震災や津波被害、原発事故などが被災地はもとより、地方行政の現場における、今後の住民サービスのあり方などに大きな影響を与えたと考えますが、こうしたことについての市長の率直な感想を、先ずお聞きしたいと思います。
【答弁:夏野市長】
昨年、東日本大震災を経験し、自然災害の脅威を思い知らされた。また、過去の災害を教訓に人間の英知を結集して防災対策を講じてきたにもかかわらず、その限界を痛感しているが、一方で地震や津波災害に対してハード・ソフト万からのより一層の防災・減災対策の強化・拡充に取組まなければならないとの決意を新たにしたところである。
私は、行政の最も基本的であり、最も大切な使命は、市民の皆様の生命と財産を守ることにあると考えている。したがって、「市民の安全・安心の確保」のための施策については、これまでも、重点的に進めてきている。
24年度予算においては、東日本大震災の教訓を踏まえ、学校の耐震化事業を、23年度3月補正で、前倒しで実施するほか、防災計画の見直しや津波ハザードマップの作成をはじめとした地震対策や津波対策について、積極的に予算化を図ったところである。
25年度以降においても、引き続き、学校の耐震化を図るなど、防災・減災対策に重点的に取り組んでまいる。
【質問】
次に、『依然として景気が低迷していることから、引き続き「経済・雇用対策」を実施する。』・・・と言う事に関しまして、
今回も継続される施策で、例えば、緊急雇用創出関連の地域人材育成事業やいみず元気にせんまい券の発行事業などについて、前回までの施策効果の検証をどのように活かそうとされているのか、お尋ね致します。
【答弁:夏野市長】
緊急雇用創出基金事業の「重点分野雇用創出事業」及び「地域人材育成事業」については、これまで、計127名の雇用を創出している。なかでも平成22年度の「射水市企業等人材育成事業」においては、委託期間終了後も継続して雇用された方が28人中22人であり、約79%の高い継続雇用率となっていることから、本事業が大変有効に活用されていると認識している。
また、今回、制度拡充された「震災等緊急雇用対応事業」など、国の基金を最大限に活用することで、地域雇用の創出を図ってまいる。
「いみず元気にせんまい券事業」については、本事業の目的である地域の消費マインドを刺激して、市内経済の活性化を図るという観点では効果があったものと考えておりますが、一方、地元の商店街や商店で使用が少ないということが課題であると考えている。
来年度事業の実施に当たっては、商工団体と市が連携して実行委員会を組織し実施する予定であることから、商工団体の意見も活かしながら、地元商店街等での使用を増やすよう努めてまいる。
【質問】
次に、『未来を担う子供たちのための「子育て支援」や「教育環境の充実」』・・・と言う事に関しまして、
市長は県内市町村で、先駆けて「中学3年生修了時までの医療費助成」を実施されたり、平成27年度までに小中学校の耐震化・大規模改修を完了されることを、これまでにも明言されております。
今回の補正予算においても大島小学校・作道小学校・塚原小学校及び射北中学校の整備事業を、また、新年度予算でも小杉中学校整備事業に伴なう実施設計、奈古・新湊西部統合中学校整備事業に伴なう基本設計及び実施設計費などを計上され、着実にこうした ことへの取り組みをされていることに関し、そうした姿勢は評価をさせていただきますが、新年度の個人市民税収入において年少扶養親族に係る扶養控除等の廃止による増加を見込めることなどから考えれば、もっと積極的な「子育て支援」に関する事業も取り組むべきタイミングではなかったのか?・・・と感じております。
国立社会保障・人口問題研究所が昨年10月に発表した第14回出生動向基本調査によれば、夫婦において予定子供数が理想子供数を下回る理由として「1人目の壁は年齢・身体的理由だが3人目の壁は経済的理由」などとの回答があげられ、また、子育ての状況として、「正規雇用を継続する場合の9割が何らかの支援制度・施設 制度を利用しているが、企業規模によって利用率に差が生じている」等の報告がなされております。
夏野市長は予てから「射水市は、こどもを産み育てやすい環境づくりを市の方針として取り組んできた。」と自負されておりますが、こうした時こそ将来を見据えた特徴ある施策をもっと積極的に推進すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
【答弁:夏野市長】
議員ご指摘のとおり、確かに、年少扶養控除の廃止により、市税の増収が見込まれますが、増収分については、(仮称)子どものための手当の地方負担の増額や地方特例交付金の減額などにより、実質的には、その全てが増加している訳ではないことをご理解願いたい。
市は予てからこどもを生み育てやすい環境づくりとして、特に中学校3年生までの医療費の無料化は県内他市に先駆けて実施してまいりました。この他にも不妊治療費助成事業や様々な施策において先駆的に手厚く取り組んでまいりました。
しかし、これらの経費については、財政状況が厳しい中にあって、年々増加していることから、この市税の増収分の一部を活用させていただいたところである。
さらに、今年度の予算では保育園の耐震診断に要する経費を計上しており、その結果によっては、耐震改修や建て替え事業を実施していく必要がある。
このように本市では、子どもを生み育てやすい事業の取組を積極的に実施しているところであり、今後は、これまでの施策を継続して実施していくことはもちろんのこと、将来展望に立った施策を検討していく。
【質問】
この質問項目の最後になりますが、『将来を見据えた「まちづくり基盤の整備」についても、重点的に予算配分をした。』・・・と言う事に関しまして、
庁舎整備事業に関しましては次の項目として質問させていただくことにして、コミュニティセンター整備事業として、庄西コミュニティセンター整備、片口コミュニティセンター用地購入、水戸田コミュニティセンター耐震補強・改修実施設計等の予算計上でありますが、我が「射水政志会」の新年度予算編成に関する要望事項の回答において「耐震化など課題のあるコミュニティセンターについては、地元との協議を踏まえ、財政状況も考慮しながら合併特例債適用期間内に整備するよう計画的に進めたい。」との回答もいただいているところでありますので、今後のコミュニティセンター整備事業としての予定についてお尋ね致します。
また、コミュニティセンター管理運営事業において、新たに11施設の管理を加え、15施設の管理が地域振興会による指定管理施設となるための予算1億3、400万円余り、27地区の地域振興会への交付金を含む協働のまちづくり推進事業費9,600万円余りの計上でありますが、「市民が主体のまちづくり」施策の推進状況をどのように捉えられているのか、あわせてお伺い致します。
【答弁:夏野市長】
コミュニティセンターで耐震性に問題のある施設は、10施設であり、本年度と来年度で各1施設を改築し、残り8施設については、地域との合意形成を図りながら、国で審議中の合併特例債適用期限の延長や財政状況を勘案し、計画的に耐震整備して参りたいと考えている。
市民主体のまちづくりの進捗状況については、これまでの地域型市民協働事業や提案型市民協働事業をはじめ、コミュニティセンターの指定管理者である地域振興会による管理運営など、着実に市民主体の地域づくりが実施されているものと考えている。しかしながら、一部では、十分に理解されていないという声もあることから、「射水市協働のまちづくり推進条例」の施行を機に、市と地域振興会とが、さらに連携し、市民に理解を深めてもらうとともに、引き続き必要な支援を行なうなど、市民主体のまちづくりが更に伸展するよう努めていく。
質問項目2、庁舎整備事業について
【質問】
実施設計策定までのスケジュールおよび新庁舎本体への市民ニーズ集約について
今回、庁舎建設実施設計等の予算として1億190万円余りの 計上がされております。
現在、庁舎整備事業に関しては昨年の12月2日、射水市新庁舎整備基本構想検討委員会から「射水市新庁舎整備のあり方について(提言)」が市長に提出され、市では、この提言の他、市議会からの意見や庁内での調整を踏まえて「射水市新庁舎整備基本構想」の(素案)が示され、その後、市民の皆さんからのパブリックコメントを経て、今年1月に「射水市新庁舎整備基本構想」が策定された経緯があります。
このことにつきましては、1月18日の全員協議会において議会に報告があり、翌19日からはこうした内容について市のホームページでも掲載されております。
また、射水市新庁舎建設業務プロポーザルの実施についても、1月20日の手続き開始の公告から始まり、今月15日が第1次 審査、23日が第2次審査(プレゼンテーション・ヒアリング)との予定についても掲載されているところですが、平成23年度中での基本設計業務委託の決定から、新年度予算化を予定されております実施設計策定までのスケジュールおよび新庁舎本体への市民ニーズ集約についての基本的な考え方についてお聞かせ下さい。
【答弁:夏野市長】
新庁舎建設基本設計業者については、3月中に選定するところであり、基本設計業務のスケジュールは、11月末までには終える予定としている。
また、基本設計業務の策定にあたっては、庁舎整備に関する庁内委員会等において審議し、市議会のご意見を伺うとともに、若者や子育て世代、高齢者等様々な立場の利用者の視点から意見を広く反映するため、意見交換会を実施し、基本設計を身のあるものとし、実施設計に繋げていきたいと考えている。
【質問】
「市民の皆さんとの合意形成」「施策の確実な実行」について
「射水市新庁舎整備基本構想」において、関連する諸課題として「窓口サービスのあり方や現庁舎・跡地の利活用」についてもその基本的考え方が示されており、平成27年度の新庁舎開庁までに計画的に事業を進めていくことが求められております。
市長は先の定例記者会見後の報道機関からの質問において、庁舎整備に関する今回の一連の状況について、「庁舎について説明する 機会、互いの想いをぶつけ合う機会が、対市民では不足しているのではないか。そのことを反省しつつ、どういった形でそういった機会を作っていくかが課題である。・・・」と答えられたと聞いておりますが、「窓口サービスのあり方や現庁舎・跡地の利活用」と言う事につきましては、市民の皆さんからもこれまで以上に地域的意見・感情論的発言等も多く出てくるのではないかと危惧します。
市民の皆さんからの意見を聞くこと、様々な要望に応えることは、もちろん大変重要でありますが、『自治体の権限も財源も、議会も行政も、市民からの「信託」に過ぎない。』と言ったような見方が進めば法的根拠が不要となり、市民の総意でどのようにでもなると言った理論になってしまい、言いたい放題になって収拾がつかなくなる危険性があるのではないかと考えます。
「地方自治」と言う事に関しましては、日本国憲法 第8章に規定されており『憲法第93条において「地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。」こととし、「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。」』と、条文に記されております。
私は、地方自治法で認められている直接請求権や住民監査請求権を否定するものではありませんが、先の条文は「地方自治の実施主体である地方公共団体について、首長制による統治機構の構築と統治に携わる者の選任を規定することにより、地方自治における民主主義の確保を図っている。」と考えられているという事を申し上げたいのであります。
庁舎建設に関しましては、平成22年8月に市長がそのたたき台として「A案(南北庁舎案)、B案(新庁舎建設案)」を議会に示されたことをきっかけに、各会派内及び議会の懇談会などにおいて意見を出し合い、調整や修正をし、26人全員とは言えませんでしたが、議員の多くも市当局も「新庁舎建設の場所や規模」などに関しましては、大筋でその方向性の一致が出来るように協議を進めてきたものと思っております。
昨年の6月定例会において「射水市役所位置条例の一部を改正する条例」が議員提案と言う形ではありましたが可決され、そのことを受けた後の庁舎整備に係わる経過は、この項目の冒頭でも述べましたので再度申し上げませんが、当局の考えに議会や検討委員会の意見集約などを踏まえ、一般市民の皆さんからのご意見もうかがったうえでの経過であることを考えれば、庁舎整備事業そのものや 開庁までの課題として関連してきます「窓口サービスのあり方や 現庁舎・跡地の利活用」と言った事に関しまして、今後どのような形で「市民の皆さんとの合意形成」「施策の確実な実行」に努めようとされるのか、市長の御考えをお聞きしたいと思います。
【答弁:夏野市長】
議員ご指摘のとおり、間接民主制という制度には、参加者を限定した、実質的な議論の可能性の確保という、それなりの沿革理由があると考えているが、庁舎整備事業に限らず、どのような事業においても、市民の皆様との合意形成をできるだけ図りながら進めるのが私の政治スタイルとしてきたところである。
したがって、「窓口サービスの在り方や現庁舎・跡地の利活用」についても、庁舎整備と並行して、一人でも多くの市民理解が得られるよう、誠意をもって進めていくことも大切だと考えている。
質問項目3、総合計画の見直しについて
提案理由説明の中で「総合計画」について、『本計画の策定から5年目の中間年度に当たることや、経済危機及び東日本大震災の発生など、社会経済が大きくかつ急激に変化している状況を踏まえ、市民ニーズの再調査を通して施策の再点検を行い、実情に即した 施策の構築につなげる。』・・・とのことでありますが、県は平成19年に策定した「元気とやま創造計画」を見直し、新総合計画を策定中であると聞きます。
【質問】
現総合計画をどの程度見直そうと考えられているのか
本市におきましても、庁舎整備など現総合計画に想定済みの大型事業に加えて、東日本大震災を受けて学校、コミュニティセンターなどの耐震化、防災拠点づくり等「市民の暮らしの安心と安全」を最優先に考えなくてはいけない現状からすれば、こうした喫緊のインフラ整備への対応や、それに伴なう財政計画の見直しも必要になってくると考えられます。
総合計画は地方自治体が策定するすべての計画の基本となるものであり、行政運営の総合的な指針となる計画でありますので、これまでの基本理念に基づき各種施策の推進に努めなくてはならない事は当然のこととして、現総合計画をどの程度見直そうと考えておられるのかお聞きしたいと思います。
【答弁:夏野市長】
私は、市長就任以来、財源確保の厳しい状況が続いている中で、射水市の将来を見据え、健全な財政運営の堅持を基本として、市勢の発展や市民福祉のさらなる向上を目指し、市総合計画の基本構想及び基本計画に沿った各種施策を着実に進めてきた。
しかしながら、現在の総合計画がスタートしてからこれまでの間、世界的な経済危機や東日本大震災の発生のほか、本格的な人口減少時代の到来、少子・高齢化の進展に伴う国の制度改革など、本市を取り巻く社会経済情勢は大きく変化している。
また、伏木富山港が総合的拠点港として指定されたことや、間近に迫った北陸新幹線の開業は、射水市が持っている潜在力を大きく具現化し、経済の底上げや観光による交流人口を拡大する好機であると捉えられる。
このような射水市を取り巻く環境の変化に対応した今後の行政運営の基礎資料とするため、市民ニーズ調査の必要経費を当初予算案に計上している。
議員ご指摘のように、総合計画は市民が将来にわたり豊かで安心して暮らすための行政運営の総合的な指針であり、市民ニーズや市の課題に対する施策を示した中長期的な計画である。従って、この調査結果も参考に、これまで進めてきた各種施策の点検や、直面している課題の整理を行うなど、場合によっては、新しい総合計画の策定も視野に入れながら、十分検討してまいりたいと考えている。
【質問】
合併特例債の期限延長された場合の影響について
合併した市町村が発行できる合併特例債の発行期限を5年間延長する特例法改正案についてでありますが、このことは閣議決定まではされましたが、国会での成立までには至らなかったと記憶しております。
この発行期限の延長については、被災地においては震災後の合併特例事業を凍結し、復旧・復興を優先している自治体を救済するとともに、被災地以外の合併自治体についても、防災計画の変更などに伴なって施設の建設計画を見直す自治体が多いとの考えから、その期間を延長することが望ましいとの判断から改正案にされたと聞きますが、合併特例債の期限延長が正式決定された場合の本市総合計画への影響についてお尋ね致します。
【答弁:三川市長政策室長】
議員ご承知のとおり、本市では、合併特例債発行期限を念頭に、総合計画の中・後期実施計画に基づき、市民の暮らしの安全と安心を最優先に小・中学校やコミュニティセンターの耐震化など合併特例債を活用し施設整備を進めることとしている。
さらに、東日本大震災の発生を踏まえ、学校の耐震化事業等を前倒しして実施するなど災害に強いまちづくりに積極的に取り組んでいる。
合併特例債が5年間延長となった場合は、平成32年度まで有利な財源確保が可能となることから、本市の発展に結びつけるための事業に合併特例債を有効活用したいと考えている。
しかしながら、合併特例債は大変有利な財源調達方法ではあるが、将来の財政負担に影響がない訳ではない。
このため、本市の将来を見据えた健全な財政運営を維持していくため、実質公債費比率などの健全化判断比率の推移も見極めながら、各種事業の進捗状況や将来的な効果の検証を行い、場合によっては、実施計画の見直しを図るなど、慎重に対応してまいりたい。
質問項目4、地域防災計画について
東日本大震災及び福島第1原発事故を教訓として、国や県でも防災計画の見直しを余儀なくされているのが現状であり、本市においても市内北部が海岸線に接していることから、特に地震発生時における津波対策や、北陸電力・志賀原発から半径50km以内である「放射性ヨウ素防護地域(PPA)」の圏内に本市の大部分が位置することなどから、原子力災害と言ったことについては、これまでに想定していなかった対応が求められるのではないかと考えます。
【質問】
総合的実効性のある防災力の向上について
市長も防災体制の強化と言う事では『東日本大震災の教訓から、人的、物的被害を軽減する減災への取組みが極めて重要であると認識を新たにした。』とのことであり、国や県で実施している被害想定の見直しを受けて、津波被害ハザードマップの作成配布や、必要な数の安定ヨウ素剤の購入などにより、市民の皆さんの安全・安心の確保に努めるとのことでありますが、震災後に県が実施した県政世論調査において県民のニーズが高い施策として「防災・危機管理体制の充実」が昨年の13位から5位に浮上したにもかかわらず、32%の人がなにも備えをしていないことが明らかになったと聞きます。また消費者団体が行った県民アンケートでは、自治体が配布している災害ハザードマップや防災マップの内容を知らないと答えた県民の割合が51%であったとの情報もあります。
こうした回答についての分析では、住民が連携し、避難誘導や初期の救助活動にあたる「自主防災組織」の組織率と防災活動参加率で地域差があるとのことです。
現在、射水市の自主防災組織数は163団体、組織率95.8%とのことであり、県平均や全国平均を上回っている状況ではありますが、今後、各地区で行われております「防災訓練」などにおいて避難場所の確保や整備、避難経路の確認、改めて調査された要援護者の支援策と言った、整理すべき問題点について話し合い、家庭や地域においての総合的実効性のある防災力の向上を、先ず目指すべきだと考えますが。
【答弁:米本行政管理部長】
東日本大震災の発生により、「自分の身は自分で守る」という「自助」の重要性が再認識されており、災害に対する住民の意識が高まっている。
このことから、本市では、自主防災組織の活動支援を図るため、災害が発生した際に必要となる防災活動を想定し、その具体的な訓練内容を示した、「自主防災組織防災訓練テキスト」を、昨年8月に作成し、全ての自主防災組織に配布するとともに、地域の防災訓練に参画するなど実効性のある地域防災力の向上に取り組んできた。
また、市内27地区すべての地域振興会を対象に「射水市地震防災マップ」及び「射水市避難所開設・運営マニュアル」に関する説明会を、開催してきた。
また、希望される地域に出向き、災害時における自助、共助の必要性や、各家庭における災害への備えをはじめに、地域において想定される災害への対応についてなど、地域の実態に即した防災対策の取り組みにかかる市政出前講座等を実施してまいりました。
今後も、自主防災組織への参加の一層の周知・活性化に努めるとともに、各家庭や地域における防災力の向上に努めてまいりたい。
【質問】
安定ヨウ素剤の確保及び服用について
原子力災害対策に関しましては、被ばく対策と言う点において甲状腺がんを避けるための安定ヨウ素剤の確保及び服用についての関心が高まっており、本市においても今回その購入費が計上さているところでありますが、志賀原発がまだ運転停止中と言う現状からすれば、現時点においては「保管場所の確保と配布の方法、誤飲や副作用などについての防止・対応策などについて、市民病院の医師や薬剤師、医師会、などの皆さんを中心としたプロジェクトチームを立ち上げ、協議をしたうえで必要に応じて地域に出向き説明することなどにより、市民の不安を解消し、理解を深めて頂ける様な体制を整えることこそが、今、必要とされているのはないかと考えますがいかがでしょうか。
【答弁:米本行政管理部長】
本年1月に国の原子力安全委員会の分科会において、安定ヨウ素剤の予防的服用に関する提言案が示されたところである。
この提言案には、「原子力発電所に係る防災対策を重点的に充実すべき地域に関する考え方」に沿って、安定ヨウ素剤の備蓄・配布方法や投与・服用の方法などの方針を定めるべきであるとされている。
その他にも、医師法や薬事法など関連法令の整備や副作用発生時の医師の免責、患者に対する補償体制の整備の必要性など県や市で対応できない抜本的な課題についても示されている。
現在、この提言案については、国の原子力安全委員会で検討がなされていることから、県においても、国の検討結果を踏まえ、防災会議において安定ヨウ素剤の配備や服用のあり方などについて検討することとされている。
本市においては、国、県の動向を注視するとともに、議員からご提言がありましたとおり、安定ヨウ素剤配備に係る諸課題について検討すべくプロジェクトチームの設置も視野に入れ、関係機関と協議し、的確な予防的服用が可能となるよう努める。
また、配備にあたり広報紙をはじめ、ホームページ、ケーブルテレビ、コミュ二ティFMなど可能な手段で広報するとともに必要に応じて説明会も開催したいと考えている。
【質問】
志賀原発に関する安全協定の締結や監視体制の強化について
県と原発防災対策を重点的に実施すべき区域(UPZ)内に位置する氷見市が、北陸電力に対し志賀原発に関する安全協定の締結や監視体制の強化など7項目の申し入れを行ったと聞きます。
原子力災害発生時には的確な情報の把握と周知が「市民の安全の確保」という命題にとって何より大切であることを考えれば、PPA圏内の射水市としても、その圏域内である県西部6市及び県との連携を強化して、安全対策を検討して行くことが重要になってくると思いますが、このことに対する市当局のお考えを伺いたいと思います。
【答弁:米本行政管理部長】
現在、国や県においては、防災対策を重点的に充実すべき地域について、半径30キロ圏内のUPZについては、防災計画に位置づけるものとしているが、本市を含む50キロ圏のPPAに対する取扱いについては、国、県において検討されており、未だその防護対策などの詳細が明確に示されていない。
原子力災害対策については、本市のみで対応することは困難であり、県との連携はもちろんのこと、氷見市及びPPA圏内の市と密接に情報交換しながら安全協定の取扱いや事故発生時の正確な情報伝達、放射線モニタリングなど対策を進めていかなければならないと考えている。
なお、現在、県西部6市で原子力災害対策に関する情報交換会議を2度行い連携体制の整備等についての協議しており、今後も継続して行っていく予定である。
【質問】
被災地のがれき受け入れについて
東日本大震災で発生した岩手、宮城両県のがれき処理が進まず、環境省が全国の自治体に受け入れてもらう広域処理を目指しているとのことですが、その安全性の確保や焼却施設の処理能力などに課題が多いとされており、たとえ受け入れる場合においても住民の理解や同意を得づらいのが現状であると聞きます。
先14日には富山県主催による「広域処理に関する研修会」が開催されたとのことでありますが、これは、がれきの受け入れを前提とせず、県内の関係者の情報共有の場として、県が市町村の要望を受けて開催されたそうですが、本市としての「被災地のがれき受け入れ」に対する所見を伺いたいと思います。
【答弁:夏野市長】
去る2月14日に開催された富山県主催による「災害廃棄物の広域処理に関する研修会」は、がれきの受け入れを前提としたものではなく、被災地やがれきの現状とがれきの広域処理に伴う安全基準などについて、県・市町村が情報共有するために開催されたものであり、本市も参加したところである。
この研修会では、広域処理の対象となるのは、岩手県・宮城県のがれきで、放射性セシウム濃度が、1キログラム当り480ベクレル以下のものであり、焼却後の焼却灰の放射性セシウム濃度は、1キログラム当り8,000ベクレル以下となり、通常どおり埋立処分しても安全であるとの説明を環境省から受けた。
しかしながら、従来の基準である「原子炉等規制法」では、1キログラム当り100ベクレル以上は、低レベル放射性廃棄物処理施設で長期保管が必要であるとしており、いわゆるダブルスタンダードとなっている。
この二つの基準の整合性の問題や、たとえ少量であっても放射性物質の影響を受けることへの不安や懸念から、全国的にもがれきの受け入れへの理解が進んでいないものと思われる。
道義的には、被災地のがれきを受け入れていくことは、当然考えていかなければならないと思うが、実際にがれきを受け入れるには、1点目として放射能に関する安全基準の確立及び搬出や受け入れ時の安全体制が確保されること。2点目として市民の理解が得られることが必要不可欠であると考えている。
この2点が解決しなければ、現段階では安易にがれきを受け入れると言うべきではないと考えているが、今後とも、がれきの広域処理について情報収集していきたい。
質問項目5、学校教育について
【質問】
児童生徒や保護者の悩みや不安の解決に関する対応と対策について
新年度予算において、児童生徒や保護者の悩み・不安などの改善・解決を図るための教育相談員等の配置や、認定カウンセラーの相談日を週2日から5日に増やされたりして、教育相談事業の拡充を図られると共に、先般「射水市児童・生徒問題行動対策委員会」を設置され、昨年の事件発生の調査や今後の対策について検討されているとのことでありますが、どの様な形で「教育における心の悩み」に対処されようとしておられるのかお尋ね致します。
【答弁:結城教育長】
将来ある生徒が、自ら命を絶つという誠に痛ましく悲しい事件を二度と起こさないため、先般、「射水市児童・生徒問題行動対策委員会」を設置した。対策委員会では、亡くなった生徒に関して調査するとともに、いじめ、暴力行為などの問題行動への対応策等について検討をいただいた。
対策委員会の提言として、児童・生徒の身近な大人(学校、保護者、地域)が自立しようとする児童・生徒にとって信頼し安心できる伴走者となれるよう、教員間の情報共有やスクールカウンセラーなどの専門家や専門機関の支援と連携、心の教育の推進、分かる授業と落ち着いた学習環境の保障、家庭や地域と連携した居場所作りなどを示された。
対策委員会の提言の趣旨を踏まえて
� 児童・生徒、保護者への問題行動への呼びかけや学校への指導強化
� 問題行動の情報共有と防止のための全市的な組織の立ち上げ
� 子ども条例の啓発と道徳教育の充実
� 相談体制とチーム・ティーチング指導員の拡充
などを実施することを検討している。
いずれにせよ、きめ細やかに児童・生徒を見守る環境を整え、学校や家庭、地域社会が積極的に連携を図り、再発防止と心身の健全育成に一層努めていかなければならないと考えている。
【質問】
学校での避難訓練について
今回の震災では特に学校などの教育現場において、災害発生時における避難方法の判断の仕方で、児童・生徒に及ぼす被災状況に違いが生じたことが問題視されているのではないでしょうか。
文部科学省でもこうしたことなど考慮してか、抜き打ち的な避難訓練を行うことにより、先生や児童生徒に的確な状況判断を体験させるようなことも検討されていると聞きますが、本市の学校における避難訓練について、どのような指導をされているのかお尋ねを致します。
【答弁:結城教育長】
今回の東日本大震災では、多くの児童・生徒が下校途中や下校後に自宅等で被害に遭ったものとみられている。
一方で、学校内に残って屋上に避難するなどして被害を免れたケースもあったが、学校に残った場合でも、避難が遅れたことで多くの児童が犠牲になったケースもあるなど、議員ご指摘のとおり、災害発生時の対応によって被害状況が大きく違ってくると考えられる。
本市の幼稚園及び小・中学校では、平成22年度までは、火災や不審者、地震を想定した避難訓練を年に3、4回実施してきたが、今年度は、東日本大震災を教訓に、安全管理計画を見直すとともに、新たに、津波を想定した避難訓練を実施するよう指示したところである。
避難訓練は、児童・生徒に予告した上で、各校で作成したマニュアルに沿って「先生の指示に従うこと。」、「あわてないで、できるだけ落ち着いて行動すること。」等の指示により行なわれている。
抜き打ちの避難訓練については、より実践的な経験ができるという利点があるが、児童・生徒への心の影響やパニック状態の中で予想外の事故が発生することも考えられることから、実施に当たっては十分な検討が必要であるので、実施時期や実施方法等については今後の課題とする。
児童・生徒がいざという時に自ら考え、素早く安全な場所に避難できるためには、避難訓練だけでなく、平時からの準備と心構えや「自分の命は自分で守る」という意識を育むことが重要であるので、ご理解をお願いする。
【質問】
学校給食における地場産食材の普及について
原発事故による放射性物質の拡散などから、学校給食の食材に関する安全性の確保にも関心が向けられておりますが、こうしたことへの不安を少しでも解消しやすくする手段の一つとして、学校給食における地場産食材の普及をさらに進めるべきだと考えます。
このことに関しましては、これまでにも市の特色ある事業として取組まれてきた経緯もありますので、学校における効果についても併せて教育長の所見をお聞きしたいと思います。
【答弁:結城教育長】
学校給食に使用する食材については、保護者の方の関心も高く、教育委員会としても安全で美味しい給食の提供に努めている。このことから、学校給食には「安全で美味しく新鮮」との観点から地場産食材を積極的に使用することとしており、食材の選定に当たっては、まず、射水市産のものを優先し、次に、県内産、県外産となるよう納入業者に発注している。
また、農協、県農業普及指導センター、市農林水産課及び市教育委員会で組織する「射水市地場産食材活用推進協議会」において、農産物の収穫時期などについて情報交換し、地場産食材の取扱いルートの整備を進めた。この結果、学校給食での射水市産食材の使用率は、年々伸びており、金額ベースで、平成18年度の13.05%から平成23年度は16.96%と約4%増加している。
今後も、食材の収穫時期や供給量などについて生産者団体や関係機関と連絡を密にし、学校給食に地場産食材を積極的に使用していく。
質問項目6、高齢化社会への対応について
今回、第5期介護保険事業計画に基づき、介護を必要とされる高齢者人口の増加と、介護サービスの多様化、今後の施設の整備計画および過去の給付実績などを判断材料として、介護保険料の改定が提案されており、保険料基準月額を現在の4,750円から約19.1%引き上げて5,656円にしようとするものでして、平成24〜26年の計画期間における標準給付費が3年間合計で約222億円と算定され、第4期の合計額より27億円程の増加が見込まれるとのことであります。
また、県内すべての市町村が加入する富山県後期高齢者医療広域連合が保険者である「後期高齢者医療事業」においても、先に開催された2月定例議会において平成24〜25年度分の保険料を、年間約5,000円余り引上げる条例改正があったとのことでして、年々被保険者数が増えると共に医療の高度化での費用増が見込まれること等が、保険料値上げの主たる要因だとのことであります。
この事業に関する平成22年度実績では、射水市の被保険者数が 12,000人を超え、また一人当たりの医療費が85万円余りとなったことにより、年間の費用額合計が100億円を超えたとの資料報告もありました。
今年の1月、国立社会保障・人口問題研究所は平成22年国勢調査の人口等集計結果及び人口動態統計を踏まえ、今後50年で日本の人口は、今の3分の2の8,674万人になり、65歳以上の高齢者が4割を占める超高齢化社会になるとの推計を発表しました。
この推計から考えられる問題は、人口数よりも少子高齢化が進むことでの世代構成が不安定な逆ピラミッド型になり、お年寄りの生活を支える年金は現役世代が稼いで納める保険料が頼りなのに、働き手の中心となる15〜64歳の生産年齢人口が半減し、この年代1.3人で高齢者1人を支えなければならないと予想されることだと言われております。
現在、国ではこうした少子高齢化の進行をはじめとして社会経済状況が大きく変化するなか、国民生活の安心を確保するためには、社会保障制度を根本的に改革する必要性があるとの考えから、今年2月に「社会保障・税一体改革大綱」が閣議決定され、必要な財源を確保するための消費税を含む税制抜本改革などについて、国会でも審議をされている最中でありますが、与野党ともにそれぞれの思惑があり、真っ正面からの議論までには至っていない状況に不安を感じております。
【質問】
そこで市民の皆さんからして、一番身近な基礎的自治体の射水市として、こうした状況などを考えれば、各種の介護予防活動の普及や疾病に対する早期発見と的確な治療など、高齢化社会に対応した心と体の健康増進にもっと積極的に取組むことにより、老若男女がそれぞれの能力を最大限に発揮し、支え合う社会づくりを目指していくべきではないかと考えます。
そのためにも、市役所内における担当課意識を無くすることは基より、健康・医療・福祉・介護分野のより一層の交流を図ると共に、射水市としての大きな特色の一つである産学官交流を加えて、10年先、20年先を見据えた地縁組織を基盤とした「健康長寿社会の育成・創出」が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
【答弁:松岡福祉保健部長】
本市における平成23年10月現在の高齢化率は24.2%で、高齢者人口がピークを迎える平成37年の高齢化率は31.6%と推計している。このような状況の中、がん・脳卒中・心臓病・糖尿病等の生活習慣病のほか、高齢による骨折・転倒等に起因して、認知症や寝たきり等の要介護状態になる人の増加や医療費、介護負担の増大などが課題となっている。
また、生活・家庭環境の変化等にともなう様々なストレス、悩みや人間関係の複雑化により、ひきこもりやうつ状態等が増加しており、心の健康づくり対策を重視していく必要がある。
現在、市では、射水市健康増進プランで掲げる「健康寿命の延伸」を目指しており、がん検診、歯周疾患検診、骨粗しょう症検診の実施や心の健康に関する問題等では、電話や面談による相談を行っている。
その他、パワーアップ貯筋教室の開催や介護予防に関するボランティア、ヘルスメイト等の人材育成、知識の普及啓発等、介護予防に資する事業の充実を図っている。
今後、さらなるひとり暮らし高齢者及び高齢者のみの世帯の増加が見込まれることから、「生涯にわたる心身の健康づくり」「介護予防の推進」「高齢者の社会参加活動の促進」に積極的に取り組むことが重要であり、このためには本市のみならず、地域、NPO、ボランティア等の関係団体との福祉のネットワークづくりが不可欠であると考えている。
さらに、本市は大学、専門学校等を擁していることから、これら学術・研究機関のノウハウを活かし、健康・医療・福祉・介護分野でのより一層の交流を図り、高齢化社会に対応した心と体の健康増進に取り組んでいく必要があると思っている。
質問項目7、市民病院の運営について
【質問】
診療棟整備事業について
今回、市民病院の診療棟整備事業費として、そのための基本設計料5,500万円が予算計上されております。
市長は提案理由の中で、「防災医療の拠点としての役割を果たす ため、また、安全・安心な医療サービスと急性期疾患に十分対応できる外来診療体制を確保するため、耐震性を備えた診療棟の整備に着手する。」と述べられておりますが、過去には救急棟整備計画としての準備をされていたのではなかったかと記憶しております。これまでの整備方針との違いについて、その概要をお尋ね致します。
【答弁:寺岡市民病院事務局長心得】
今回の診療棟整備計画は、平成19年度に検討していた救急棟中心の整備計画とは異なり、昭和52年建設で建築基準法上の耐震基準を満たしていない診療棟を一括して整備しようとするものである。
具体的な内容については、新年度に実施を予定している基本構想・基本設計策定のなかで詳細を詰めていくこととしているが、検討においては、救急部門の充実はもとより、外来診療体制の整備においても、より多くの診療科での対応が可能な基幹総合病院としての役割を担うという視点も大切な要素であると認識している。
昨年3月に発生した東日本大震災以来、市民の防災意識も高まりを見せており、射水市民病院が、射水市民の防災医療拠点としての役割を担うことも踏まえより早急な整備が必要と考え新年度より着手しようとするものである。
なお、現時点で県内公立病院の中で耐震基準を満たしていないのは、当院を含めて2病院のみとなっており、当院においても可能な限り速やかな対応が必要と考え計画を立てたものである。
【質問】
収支見通しと病院改革プランの改正予定について
平成22年度病院事業会計決算において、平成20年度に策定した病院改革プランに基づき経費削減に努めると共に、循環器診療の体制強化に努め、特色ある病院づくりに取り組んだことや 診療報酬の改定などの影響により、2年連続で赤字縮減が図られたとのことでありますが、先般、厚生労働省がまとめた平成24年度診療報酬改定案も考慮して、平成23年度及び今後の収支見通しについてお聞きしたいと思います。
併せて、今後、診療棟整備事業による病院機能の拡充などを考慮に入れた場合の「病院改革プラン改正の必要性」についての見解もお聞かせ下さい。
【答弁:寺岡市民病院事務局長心得】
当院においては、循環器診療体制の強化や出前講座をはじめとする啓発PR活動の強化、更には開業医の皆様との連携強化等の効果もあって、ここ数年経営状況が大幅に改善しており、平成23年度においても1月末段階においては、対前年度比改善基調で推移しており、当該年度において単年度赤字脱却の可能性も出てきているものと分析している。
しかしながら、前年度においてはとりわけ3月に大幅な収益があったこともあり、単年度赤字解消にはまだまだ予断を許さないものと考えており、目標達成のため職員一丸となって取り組んでいる。
24年度の診療報酬改定では、入院基本料において看護必要度に応じた評価が新たに導入される一方で、亜急性期入院医療管理料では回復期リハビリテーションを要する患者の入院費引下げなどが予想される。改定の影響額は、改定率グロスではプラスの0.004パーセントであり影響額はほとんどないと考えているが、薬価等のマイナス改定に伴う材料費の減少を期待しているところである。
次に、病院改革プランについては先に申し上げたとおり、病院改革プランにおける最も大きな指標であるところの単年度収支においてある程度目標を達成したこと、また、診療報酬改定がなされること、更には、診療棟整備事業に着手すること等、現在の病院改革プラン策定時に想定されていなかったことが数多く出てきていることも踏まえ、平成23年度決算を見極め、なるべく早期に改訂し中長期の経営安定を図っていく必要があると考えている。
【質問】
地域医療を担う人材の育成と基幹病院との協力体制の構築について
提案理由説明では、「市民病院において安全・安心で質の高い医療を提供するため、富山大学付属病院との連携をこれまで以上に強化する。」とのことであります。
麻野井病院長と井上博 富山大学付属病院長の「地域の医療サービス向上を促す、多角的な連携の構築を」と言う題目での対談を大変興味深く読ませていただきました。
「射水市民病院が9万4千人市民の公的病院として変わりつつあると感じられている現況と、患者さんの信用を得る方法の一つとして、循環器系の特化型病院ではなく、中核医療を担う市民病院の特色として循環器医療を前面に出され、地域連携のなかでの大学病院が後見であると言うことでのブランド力の向上を目指そうとされている。」と私なりの解釈をさせていただきましたが、富山大学付属病院との連携も含め、地域医療を担う人材の育成と基幹病院との協力体制の構築と言う事について、市民病院としての所見をお聞きしたいと思います。
【答弁:寺岡市民病院事務局長心得】
当院については、合併前の新湊市民病院から合併後人口9万4千人を有する射水市唯一の公立病院である射水市民病院に生まれ変わって6年余りが経過したが、この間に旧射水郡の患者が大幅に増加してきており、文字通りの射水市民病院になってきており、より大きな責任を有する病院になったものと考えている。
公立病院の責任の大きなものは、市民に安全・安心な医療をより総合的に提供することであり、そのためには医療スタッフの充実、高度医療等のバックアップが不可欠であり、このことについて人材、ノウハウの蓄積のある富山大学医学部とのより強力な連携が必要であると考え、これまでも診療科ごとの各教授と直接相談を継続してきたところである。
一方、富山大学医学部としても、人材育成の拠点づくりの観点、フォローアップ病院の必要性などから、当院とのより密接な関係づくりに積極的な姿勢を持っており、その考えがベースにあって、先の井上富山大学付属病院長と当院の麻野井病院長との対談の内容となったものと考えている。
富山大学付属病院は、富山市ではあるが射水市に隣接しており地理的にも近いこともあり、また、現在の当院の医師の多くが富山大学医局出身者であることも踏まえ、よりネットワークを強力にして医師配置及び診療科の拡充等につなげ、より市民に信頼される病院としての役割を果たしていきたいと考えている。
質問項目8、日本海側拠点港としての「富山新港」の活性化と、新湊大橋の開通について
【質問】
「国際海上コンテナ」及び「外航クルーズ」への対応について
昨年11月、中国や韓国、ロシアなどとの貿易や観光の核として国が発展を後押しする「日本海側拠点港」の総合型拠点港に伏木富山港が選ばれました。
同時に、8項目ある「機能別拠点港」のうち、「国際海上コンテナ」「国際フェリーとRORO船」「外航クルーズ(背後観光地)」の3部門にも選ばれました。
先日、「港湾の元気から活力を」と題する石井隆一 富山県知事の報道記事を読ませていただきましたが、伏木富山港の今後の方向性に関して、富山新港(新湊地区)では、多目的国際ターミナルの埠頭を延伸し3万トン級コンテナ船の2隻同時接岸や、旅客船岸壁を改良することにより5万トン級クルーズ船の入港が可能となるような整備の必要性について述べられておりました。
このことに関しましては、これまで射水市が国及び県に重点事業として要望してきた経緯もあり、今回の選定を契機に確実に実現できる日が近い事を期待しておりますが、伏木富山港の港湾管理者である富山県が国際海上コンテナのルート拡充には貨物の集荷力向上が欠かせないとして、新年度、荷主への奨励金や船会社への助成金などを手厚くして、利用の促進を図っていくことや、外航クルーズに関しては小樽及び舞鶴の両港とあわせた3港がそれぞれの特色ある観光地を結ぶ寄港ルートを提案したことから、新年度早々、小樽市や京都府と協議会を設置するとのことであり、射水市としてもこうした機会を逃すことなく、市としてどのような対応が可能なのか検討し、これまで以上に積極的に活動していくことが大切ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
【答弁:竹内産業経済部長】
国際海上コンテナ及び外航クルーズへの対応につては、議員のご発言のとおり、「日本海側拠点港」に選定されたのを機に、今後、積極的に活動していくことが大切であると十分認識しているところである。
多目的国際ターミナルの整備・拡充についても、計画がより早く実現するように、経済界とも一緒になって国へ要望していきたいと考えている。
富山新港における平成23年のコンテナ取扱個数(速報値)は、過去最多の個数となっているが、今後はさらに取扱増を図るため、対岸諸国へのポートセールスのほか、射水市内の企業に対し、県と連携して、あるいは市単独でどのような取り組みができるかなど、今後いろんな方策について検討していきたいと考える。
外航クルーズについては、海王岸壁に中型クルーズ船の接岸が可能になる岸壁などの整備を引き続き要望していく。また、「外航クルーズ」部門で選定された小樽、舞鶴との3港による「環日本海クルーズ推進協議会」を新年度、早々に設置することになっているので、その中で、客船の誘致活動を行っていくほか、国内の客船については、本市単独でも関係会社等に働きかけていく。また、港湾関連の組織の充実強化も検討されているところである。
【質問】
伏木富山港における3港それぞれの特徴を活かした施設整備や連携について
今回「日本海側拠点港」に選定されました伏木富山港は富山新港・伏木港・富山港の総称でありますので、3港それぞれの特徴を活かした施設利用や連携と言ったことについて、県及び関係市との協議が必要になってくるのではないかと思いますが、本市としての対応についてもお尋ね致します。
【答弁:竹内産業経済部長】
伏木富山港における3港それぞれの特徴を活かした設備整備や連携については、これまでも、富山県と港湾所在市の3市で伏木富山港港湾整備連絡協議会を設け、意見交換や先進地視察などを行ってきたが、拠点港に選定されたのを機に更に連携を強めるため、新年度中に、県が中心となり新たな協議会が発足されると聞いている。
市といたしましては、その協議会を通して、様々な取組について県及び3市で連携を図っていきたい。
【質問】
「新湊大橋」の完成に対する想いについて
今年の秋に開通が予定されております「新湊大橋」の完成が間近に近づいて参りました。
遡ること45年、富山新港の建設に伴なう港口が切断されてから、地区住民の皆さんの長年の夢だったと聞いております大橋が、日本海側最大の斜張橋として完成しようとしております。
港口の切断から今日までには、大変長く険しい道のりがあったとも聞いておりますが、この大橋の完成・開通は単なる道路交通網の整備と言う事にとどまらず、先の「日本海側拠点港」に選定されました伏木富山港の中枢港である「富山新港」のシンボルとして、地元のみならず射水市のにぎわいの創出と活性化の一大契機につながることを期待しておりますが当局の想いをお聞かせ下さい。
【答弁:竹内産業経済部長】
新湊大橋の完成に対する思いについては、議員のご発言にもありましたが、富山新港の港口が切断されて45年間、大橋建設のため期成同盟会が設立されてからも29年間になる。
当初は、夢の大橋と言って、いつになったらこの事業が国において採択されるのか全く分からない手探りの中、行政関係者や市民の代表の方々の数えきれないくらいの多くの要望活動や、色々な場面で尽力いただいた方々のおかげでようやく今年の秋に完成の運びとなった。
このように多くの方々の熱い思いで完成するこの新湊大橋を、どのように今後の本市の活性化につなげていくかは、大変重要であると十分に認識していますので、今後とも新湊大橋を活かした様々な諸施策に取り組んでいく所存である。
質問項目9、北陸新幹線の開業と並行在来線の運営について
【質問】
「北陸新幹線の開業」と観光振興について
にぎわいの創出と観光振興と言う事について、先に質問をいたしました伏木富山港の「日本海側拠点港」に選定されたことが「海」にまつわる出来事とするならば、「陸」に関しては「北陸新幹線の開業」が平成26年度に迫ってきていることが挙げられると思います。
「東京と2時間で行き来出来る」と言うことになれば、当然、東京を含む関東方面からの交流人口も増加するでしょうし、観光 振興の大きな武器になることは間違いないと思いますが、新幹線駅の無い我が「射水市」にとって、地理的関係の深い「新高岡駅」や県都の玄関口「富山駅」との連携をしっかり模索していかないと、ただ新幹線が通過しているだけと言う事になって、埋没してしまうのではないかと危惧します。
交通網の整備と観光振興と言う事などで、県内自治体間での話し合いもされていると聞きますが、本市の状況をどのように考えられているのかお聞きしたいと思います。
【答弁:三川市長政策室長】
今年秋の新湊大橋の開通や北陸新幹線の開業などにより、これまで以上に経済、文化、観光などあらゆる面において交流が活性化し、産業経済の発展や交流人口、定住人口の増加が期待されている。
反面、首都圏等への若者や購買力の流出など、さまざまな分野におけるストロー現象の発生が懸念されるところである。
新幹線駅が設置されない本市としては、これまでも周辺の新幹線駅との関係も視野に入れた様々な事業を推進してきている。
具体的には、新幹線駅へのアクセスを形成する道路網の整備、並行在来線や万葉線、路線バス、コミュニティバスなどの公共交通の整備、生活体験施設を活用した移住・交流の推進、射水ブランドの強化、また、越中・飛騨観光圏事業による関係市町村との広域的な連携や新たな観光資源の開発と情報発信、さらには、新湊大橋と海王丸パークや内川周辺をはじめとする既存観光資源との連携など観光振興体制の充実を図っている。
これらの取り組みの他にも、宿泊施設や観光集客施設の立地の促進を目的とした「射水市宿泊・観光集客施設立地促進助成金制度」の創設や企業誘致など、地域の活性化に取り組んでいるところである。
また、今年度、観光振興の新たな指針として、「射水市観光・ブランド戦略プラン」を策定し、本市を代表する海産物や農産物など、豊富で魅力的な食の資源を中心に射水ブランドを確立させ、市民、事業者、各種団体などと連携し、さらなる地域イメージの向上と交流人口増加を図りたいと考えている。
いずれにしても、本市としては、県並びに越中・飛騨観光圏を始めとした広域観光協議会や構成市町村等と連携を強化しながら、北陸新幹線の開業に向けて、選ばれる、そして魅力あるまちづくりを進めて参りたい。
【質問】
並行在来線の運営に対する市の対応について
新幹線の開業と同時に、JRから経営分離される並行在来線の運営と言う事につきましては、私が視察したなかでも、特に印象に残っているのは、肥薩おれんじ鉄道における、元の鹿児島本線八代〜川内間の運行会社の経営に 関するものでありまして、当初から県レベルでの協議が中心となり、沿線の市町村はこれに従っていくしかない状況であったのではないかとの感想であります。
北陸線の県内区間を運営する第三セクター会社が今年7月に設立されることとなっており、本市の新年度予算にもその出資金3,100万円の計上がされておりますが、並行在来線の運営には運行前から厳しい収支が見込まれている状況からすれば、新年度には列車の運行計画を具体化し、運行指令システムの発注なども予定されており、並行在来線の具体像が見えてくると思われるだけに、射水市としての並行在来線に対する考え方を明確にされるべきだと思いますが、どのように考えておられるのかお尋ね致します。
【答弁:山崎市民環境部長】
ご案内のとおり、平成26年度末に予定されている北陸新幹線開業に伴う並行在来線の開業については、富山県並行在来線対策協議会において鋭意協議がなされている。
本県の幹線鉄道として、「将来にわたる県民の通勤、通学等の交通手段の確保」を基本理念として、「経営主体」については、第三セクター会社を設立すること。
「運行計画」については、「利用実態に即した利便性の確保」を基本に、2両編成の新型車両の導入や、地元密着型のダイヤに見直すこと、隣県と相互直通運転の協議を進めること。
「組織・施設」については、普通列車主体の運行に即した単独指令システムの構築及び、日常的検査の集約化を図るためJRの富山運転センターを活用すること、などが示されている。また、本年7月頃の準備会社設立に向けての具体的な準備作業が進められていくものと思われる。
これらを踏まえ、本市としては、平成24年度当初予算に準備会社への出資金として3,100万円を計上したことに加え、並行在来線の利活用調査費として300万円を計上したところである。この調査により、所在する小杉駅、越中大門駅の機能向上や利便性向上策、及び並行在来線の総合的な活性化策を見出したいと考える。
また、新幹線の停車駅のない本市にとって、並行在来線は日常の重要な移動手段であることから、市民の利便性向上にむけて今後、通勤時間帯のダイヤ密度の向上や快速列車の設定等を富山県並行在来線対策協議会に提案し、並行在来線運行における利便性の確保に配慮するよう求めて行きたい。
(結びとして)
以上、大項目9点の質問でありましたが、当局のご答弁を聞かせていただいたうえで、その後の詳細に関しましては、私が再度質問をさせていただくか、若しくは、明日からの一般質問及び予算特別委員会などにおいて、さらに問題点を掘り下げて関連した質問をしたい旨の事も、会派同僚議員から聴いておりますので、わかりやすいご答弁をいただきますよう、お願い申し上げまして「射水政志会」を代表しての質問とさせていただきます。