令和4年10月6日(木)
応対者
糸魚川市消防本部消防防災課長 田代由起人氏
糸魚川市観光大使ヒスイレディ 渡邊幸氏
糸魚川駅北大火の概要説明
2016年12月22日(木)10:20ごろ糸魚川市大町1丁目2番7号のラーメン店より出火し、焼失面積約40,000㎡、焼失棟数147棟にのぼり、負傷者17名(一般人2名、消防団員15名)だった。幸いにも死者は0名であった。当日の気象状況は気温18.4℃、湿度54.7%、最大瞬間風速27.2m(南南東)であった。日本海側で発達した低気圧に南からの温かく乾燥した空気が流れ込んだ。同日12:22に本町、大町2丁目273世帯586人に避難勧告が発令され、同16:30に大町1丁目90世帯158人に避難勧告が追加発令された。
当日は、強風の影響により飛び火が発生。公園や空き地が少なく住宅が密集していたことも延焼につながった。昭和7年にも大火があり、ほぼ同じ範囲が焼失した。過去の教訓は「強風の時は気をつけろ」いう言い伝えみたいなものしか残っておらず、年数とともに風化していったと考える。
糸魚川大火からの復興策
今回の糸魚川駅北大火では、初めて被災者生活再建支援法が適用された。
大火の経験を活かし、初期消火体制が大切だと考え、第一出動で60人出動できる体制を整えた。また、消火活動中の怪我や火傷に対応するため、シールド付きヘルメット、頭巾タイプマスクやゴーグル、また釘の踏み抜きが多発したため、防災長靴も各消防団に配備した。並びに地上式の消火栓にホースBOXを設置し、中には通常より細く軽くて女性でも取り回しやすい40mmホースを常備してある。
その他にも避難勧告や災害情報をいち早く配信するため、市民に安心メールへの登録を呼びかけた。また、水利の確保のため、地下に200トンの防火水槽(鋼鉄製で表面をFRPでコーティングしてあり耐用年数無限)を埋設し、木造建築密集地には屋外火災報知器も設置した。
射水市への教訓
本市にも木造建築密集地が存在しており、糸魚川駅北大火の教訓である初期消火体制の大切さを参考に、性別問わず取り扱いやすい消火設備の整備や、市民への安心メールなどの施策に取り組むべきだと考える。
また、防火水槽のFRPコーティングによる耐用年数無制限については、防火水槽だけではなく上下水道管や調整池など様々な活用方法が考えられる。
加えて、説明の中で「民間協力企業から9社 車両55台の協力があった。」との事であり、過去に森林火災があった時の「消火水利の確保」ということから、市内生コン業者のミキサー車に水を積み 対応をした経験から、今回の大火においても消火栓水利が十分でない地区へ(ミキサー車による)水の移送をされた! との報告があったが、こうした災害時における、民間企業との協力体制の協議・確保が重要ではないかと感じた次第である。