平成29年2月15日(水)
アイシン精機(株)と言えば、我が射水市のアイシン軽金属(株)の親会社ともいえる存在と認識をしておりますが、今回(私自身初めて)新豊工場をはじめ、コムセンターのある愛知県刈谷市の本社周辺を訪問する機会を得、あらためて関連グループ(強いて言えば、トヨタ自動車関連企業)のスケールの大きさを実感した次第です。
新豊工場では、稲垣工場長さんはじめ品質管理部長の大田さん、渉外安全チーム チームリーダーの洲崎さん等々、多くの皆さんから説明を頂くとともに工場内の見学もさせていただきました。
新豊工場は自動車部品の総合メーカーである「アイシン精機(株)」の一角をなす車体系の生産部門として、トヨタ自動車(株)を始め、三菱、日野、スズキ、いすゞ、ダイハツ、本田技研、マツダ等々多くの自動車会社を主要納入先に持ち、建物面積50,181平方メートル、従業員数1,750人の方が働いていられる工場だそうです。
私なりの感想として、最初に挨拶に立たれた稲垣工場長さんが「今日はようこそ新豊工場へ・・・。もし万が一にでも、こうした説明の途中に大きな地震が起きた場合には、この建物は安全な構造となっておりますが、屋外避難の必要性がある場合には(正面の大きな画面を指しながら)このルートで指示に従って避難して下さい。」とのご挨拶から始まり、続いて工場の概要説明をされた事でした。
昨日の「飛島コンテナ埠頭株式会社」の説明でも『「自働化」の安全確保と言う点で各設備には地震対策が施されている。』との事でもありましたので、ここ(東海地区)の皆さん(企業)は相当「東南海地震」を意識されているのだな〜!と、あらためて感じた次第です。
工場見学では、自動車工場の部品メーカー・・・と言う割には、人出仕事が多いのでは?と感じまして、稲垣工場長さん(工場長さんはじめ、皆さん最後まで我々に付添って頂き、その場での質問にも答えて頂きました。感謝!!)にそこら辺をお聞きしたところ、『自動車部品のパーツといえど、エンジン等と違い「マイナーチェンジ」は2〜3年程にある事が多く、量産目的で自動生産化できるパーツより、ある程度の数をリクエスト生産して対応すべきパーツの方がはるかに多い状況であり、今後は業界全体である程度の共通規格化(モジュール化:一つのシステムを相互依存の強い部品同士で構成するのではなく、交換可能な機能を持つ部品同士で構成しようとすること)を図っていく方向に向かうのではないか?との事でした。
工場見学も終わり、ご質問は?・・・と言う事になったので、さっそく冒頭の稲垣工場長さんがお話された「地震対策」と言う事についてお聞きしました。
【質問】
冒頭のあいさつで、工場さんが地震時の避難経路についての説明を頂いたが、昨日我々の視察先であった「飛島コンテナ埠頭株式会社」の説明でも地震対策を重要事項(安全対策の)としてとらえられていた。
この地区(中京・東海地区)では、各企業の皆さんが震災対策に重点を置かれている事と感じたが、貴社での対策は?
また、熊本地震での被害として「工場での操業停止による部品供給の遅れ」と言う事が問題となったが、そうしたことへの対応について伺いたい。
【回答:稲垣工場長】
工場見学でお気付きかも知れないが、新豊工場ではいくつもの棟に別れて各種部品を作っている状況であり、その棟々によって建築年度も違っている。
現在、計画的に耐震補強やラック(設備配管などを受けている支持金具)の横揺れを防ぐ斜材取付等を行っている状況である。
また、震災時に生産ラインが停止になった場合の対応策として「BCP(事業継続計画)対策」を検討している。
例えば、先ず、生産ラインが停止した場合において『お客さまに必要最低限の部品を届ける事が出来る「在庫の確保」の検討』や、復旧に関するリードタイム(工程に着手してから全ての工程が完成するまでの所要時間)の短縮を図る事などを検討している。
・・・との事でした。
【再度お聞きした事】
そこで、富山県は比較的、地震や台風と言った自然災害の少ない県であると同時に、東海北陸自動車道の開通によって3〜4時間程度(余り使いたくないのですが、表日本と裏日本を)で行き来することができる環境にあり、関連企業の「アイシン軽金属」さんも射水市内にある事から、サブライン的な生産工場の建設!と言うことは考えられていないのか?
現有の(県有や市有の)工場立地可能な企業団地はもとより、現在、本市においても新たな企業団地造成に関する検討を行っている最中なのですが?・・・とお聞きしたところ、
(確か、品質管理部長の大田さんだったと私なりに記憶しているのですが)実は、昨日、軽金属へ行っていたのですが、ここ(刈谷市や新豊工場のある豊田市高丘新町)に比べ、海が近く(海面との差がほとんどなく)、地震時の津波はどうなのか?・・・と思ってきたところなのです。
先般震災被害のあった熊本も、比較的「このての災害が少ない地域」と言われていたので、富山県はどうなのでしょうか?・・・と、逆に聞かれた次第です。
現在の地震・津波関係の予想では、(呉羽山断層帯を震源とする地震では)最大津波高さ3〜4m程度との事だったと思いますが、到達時間が1〜2分と早いのが特徴です。
ただし、その後のいろいろな(各断層帯別の)予想では、高さも違っておりまして?
正直なところ、国や県が一定の方式で予想をして頂かないと市としての対策も立てにくいような状況です。・・・と、お茶を濁すようなことしか言えませんでした。
この日(15日)家に帰って新聞を見て『津波入善で最大10.2m』の見出し記事が掲載されており、びっくり!
県が説明をした3断層(糸魚川沖断層、富山湾西側断層、呉羽山断層)の震源別の予測だそうで、我が射水市では到達時間は多少の違いがあったにせよ、最高津波水位にはこれまでの予測とさほどの大きな変化が無かったのですが、県内で10mを超える予測が発表された事の衝撃は大きいのではないかと思います。
現在、射水市においても新しい企業団地の候補地選考がされているのですが、こうした事への対応策も十分検討を加え、アイシングループさんを始めより多くの企業の皆さんに、それこそ安心して来て頂けるような「バランスの良い」まちづくりの必要性を感じた次第です。