
今回の行政調査団の活動では、3市議会への公式訪問の他に、(財)自治体国際化協会ロンドン事務所とスカンセン野外博物館、そしてアムステルダムの有機農業センターへも調査活動に行っております。
(財)自治体国際化協会ロンドン事務所を訪ねて
平成26年10月9日(木)
財団法人 自治体国際化協会(Council of Local Authorities for International Relations)略称CLAIR(クレア)が、世界主要7都市に設置している海外事務所の一つであるロンドン事務所において、嶋 一哉 所長さんから「英国並びにスウェーデン・オランダの地方自治制度について、および今後の調査事項についてのレクチャーをお聞きした。
ロンドン事務所では、イギリスの他アイルランド、オランダ、ドイツ、オーストリア、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドを所管し、主に日本の地方公共団体関係者の海外活動への支援や海外と日本の地方公共団体間の国際的交流の推進を図ると共に、所管各国の地方自治への取り組みに関する調査研究活動や我が国の地方自治制度などに関する情報の海外の地方自治関係者への提供などを行っておられるそうです。
嶋 所長さんからは、それぞれの国の一般事情(面積や人口、源義や宗教などについて)や政治体制、国の現状、そしてその国の地方自治の特徴などについてお聞きしたのですが、それぞれ千差万別でありまして『資料を見ていてもわかりづらい』と感じたのが私の本音です。
と、いう事は『日本の政治制度や法律を並べても(ある意味で、全く違うのだから)無意味であり、それぞれの国(市)で行われている政策自体に出来るだけストレートな質問をしないと、お互い意が通じないのであろう。』・・・と、感じた次第です。
また、この機会とばかりに「ヨーロッパ諸国における人口対策(特に少子化対策)」に関して質問をしてみたのですが、どうも所長の専門分野以外らしく・・・?それぞれの市での調査、という事になりました。
スカンセン野外博物館を訪ねて
平成26年10月12日(日)
スカンセンは世界最初の野外博物館と言われており、スウェーデンの全国各地から移築された様々な時代の特徴ある代表的な家屋や農場を見学することが出来たり、飼育されているものから野生のものまで、スウェーデンに生きる動物たちに出会う事が出来るそうです。
私たちが訪れた時も、大鹿のいる柵の中にはリスがいて、地面に落ちた木の実を拾ったり、木に登ったりとあちこちに動き回る姿が、すぐそこで(本当に手の届きそうなところで)見る事が出来ました。
この日は、薄曇りで時折小雨がぱらつくような天候でしたが、小さな子どもたちを連れた家族連れの姿をあちこちで見かける事が出来ました。
スカンセンを訪れている家族連れは、次から次へと気ぜわしく施設を回っている様子はなく、この国の歴史や自然そして生活様式などについて親が子に「諭す様に」ゆったりと楽しんでいるかのようで、日本の動物園や博物館とはちょっと違った感じを受けました。
日本との生活感(様式)の違いと言ってしまえば、それまでなのですが?
有機農業センター「Centrum Biologische Landbouw」を訪ねて
平成26年10月15日(水)
アムステルダムの北東部にあるフレボラント州の州都であるレリースタットにある「有機農業センター(Centrum Biologische Landbouw)」は、バイオ生産・有機栽培農業のプロモーション(助長・推進)をし、生産者の支援、技術指導や情報提供を行って、有機栽培農家業の活性化を目指している団体です。
我々一行を迎え入れてくれたのは農業科学者でボランティアの Albert Ester(アルバート エスタ)氏と、この地における35年有のパイオニア Jon Kmen(ヤン クマン)のお二人。
Ester(エスタ)氏がここの地勢やオランダにおける干拓の歴史から説明が始まり、オランダの農業事情、有機栽培や市場市場についての説明があった後、質問タイムとなりました。
私が特に関心があったのは、オランダではどうやって土地の確保(干拓の仕方)をしたのかという事でしたが、説明によると、オランダ語の国名「ネーデルラント」が「低地の国」を意味するとおり、国土の約25%が海抜0m以下で、最も高い場所でも海抜321m、最も低い場所は海面下6.7mだそうです。(13日のバス内での説明時にもこれと同じような事を聞きましたが)
フレボラント州は20世紀になってからサイデル海(アイセル湖)で、30kmにも及ぶ堤防を築き、海水を抜いて、ドイツから流れ込むライン川の川水を引き込み、塩分の希薄化と土砂の堆積を繰り返して行う「干拓事業」で生まれた新しい土地で、LELYSTAD(レリースタット)は海面下6フィート(約1.8m)のところを干拓して、1957年から街づくりが始まり1980年代から有機栽培農業が始まったとの事でした。
長い年月と多くの人々の労力、そして知恵と豊かな自然がつくり出した街なのだと感じた次第です。
但し、ここで行われている有機栽培農業は、最低限6年サイクル(10年でもOKとの事だったが)で土地利用を行い、収穫後は微生物やバクテリアの力で地力を回復すると云うもので、オランダに比べ狭隘な土地で農業を営んでいる日本の実情からはちょっとかけ離れている気がしております。
質問(他の皆さんの)でも、農業に対する国の補助制度の事や、経営体の状況、土地を肥沃にするための肥料などについて聞かれましたが、環境(農業に対する)の違いばかりが目立ち過ぎた?・・・と、感じた次第です。