
「ヘルスケアタウン にしおおい」を訪ねて
平成25年2月13日(水)
「ヘルスケアタウン にしおおい」は介護予防事業等の機能を加えた地域の皆さんの活動の場・交流の拠点施設としての「西大井いきいきセンター」、高齢者の方の住まいとして60歳以上の要介護高齢者を対象に、ユニットケアにより少人数でより家庭に近い介護を提供できるサービス付き高齢者向け住宅としての「ケアホーム西大井」、いつでも安心して利用できる保育の提供と、地域の子育て支援を目指している「キッズタウンにしおおい」の3施設が、廃校になった旧区立小学校を活用して一緒になって運営されており、高齢者から園児と云った世代を超えた交流と地域のつながりある暮らしを提供している複合施設を視察研修してきた。
元の小学校建物のスペースを有効に使っての改築・耐震化と云う事で、耐震化の主たる補強は建物外部のテラス通路(非常時の避難路)の増設で賄われているとのことであり、バリアフリーの観点から床を嵩上げしたり、防火対策としてのスプリンクラー等の設備配管の為天井を下げたりはしているが、主要構造部は触らず元の学校建築を活かしての改装と見受けた。
ただ、いくら耐震補強を行った施設とは言え旧小学校の建築年数(約40年)との関係があって、品川区との賃貸期間も20年となっているそうである。
この事業を請け負っておられる社会福祉法人ほうこうえんさんの田中施設長さんもこの点に関しては、当初から既存小学校(グランドを含めた)を活かしながら区民の皆さんの要望に応えられるような施設転換を求められており、高齢者(特に介護保険を利用される)の方々のニーズが20年後まで現状のような状況が続くかどうかは不明であり、建物の寿命を考えてもその時の状況に応じて区と再度協議することになると思う。とのことでした。
こうした廃校舎を合理的に耐震補強し、高齢者の憩いの場を提供するとともに、元気な保育園児との交流から生まれる相乗効果をもたらしている施設の運営形態は、庁舎や重複施設の利活用と云った観点からも含めて学んだ点が多かったと感じております。