
港湾振興特別委員会 行政視察
苫小牧港の概要
苫小牧港は、北海道の中央に広がる石狩平野の太平洋南西岸に位置し、札幌市へ約60km、新千歳空港へは約20kmと近く、ほかの道内主要都市へも高速交通網に接続されており、陸海空の交通の要所に位置し、背後には西部工業団地・東部地域という本道随一の大規模工業地帯が形成されておることなどから、多くの内貿定期航路が開設されている道内の流通拠点港となっている。
同港は現在、西港区の老朽化した西埠頭を一部耐震化した内貿複合一貫ターミナルとするための再整備を進めている。
平成23年4月の港湾法施行令(政令)改正により、特定重要港湾改め「国際拠点港湾」として位置づけられた。
主たる説明および質問に対する回答
苫小牧港の全容と特徴については、説明の冒頭に映し出された港セールス 映像(字幕スーパーは日本語、英語、中国語および韓国語で説明)および利用案内図においてその概要説明を受ける。
苫小牧港は工業港として発展する西港区と物流港として躍進する東港区からなり、その海岸線は苫小牧市から厚真町にかけて24km、港湾区域面積は14,340haあり、貨物取扱量では国内第5位、うち内貿貨物取扱量は平成13年から連続全国第1位となっている。
苫小牧港は、国際海上輸送拠点となる国際拠点港として、全国8カ所にある中核国際港湾に位置付けられており、国内では中長距離内航フェリー、定期RORO船で日本有数の運航便の就航があるとのこと。
先ず、内貿貨物に関するRORO船定期航路では、日本を代表する生産物流拠点と結ばれており多頻度かつ高速が特徴だそうで、例えば、本州と道央圏を結ぶ貨物輸送を考えた場合、北海道では苫小牧港の利用が最短ルートになるとのことである。
同じく、フェリーについては、苫小牧港に出入りしている貨物の約半分がフェリーを使って運ばれており、旅客輸送を含め重要な役割を果たしている。
例えば、関東と北海道間の鉄道輸送と海上トラック輸送を考えた場合、鉄道輸送と比べて圧倒的に多い輸送貨物量でも比較すると、海上輸送の方が時間コストや効率性で有利とのこと。
次に、世界的な貨物輸送手段の主役となっている国際コンテナ貨物について、苫小牧港では北海道全体の外貿コンテナ取扱個数の約8割を取り扱っており、冷凍魚などの水産品、生活物資や工業品など年に約20万TEUのコンテナが出入りしている。
苫小牧港は、中国を筆頭に韓国、台湾、東南アジアの国々や、道内で唯一、北米にも直通の定期コンテナ航路がある。また、世界のハブ港・釜山港までは最短2日で到着することなどから、さらに細かいネットワークやヨーロッパ航路とも接続している。
私の所見
日本海側の港湾と北海道(特に札幌を考えた場合)を結ぶ旅客や物流のルートを考えた場合、小樽港が最も近い港であるかのように思っていたが、津軽海峡を通り苫小牧港と結ぶ航路の方が約3時間ほどの時間短縮になるとか?
また、北海道においても高速道路をはじめとする道路網の整備が進み、苫小牧からは札幌・函館・旭川・帯広・釧路などへ放射線状に伸びる国道でつながっており、昨日の小樽港視察においてお聞きしてように、1999年に新潟航路の一部、2002年に敦賀航路が小樽港から苫小牧港にシフトした理由がわかるような気がした。
物流の拠点港(特に日本の食糧基地として多くの資源を有する北海道の内貿貨物を考えた場合)としては、時間と距離の効率・効果的なネットワークの確保が苫小牧港のキーワードなのかと感じた。