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2012-01-14 19:07:50
庁舎整備に関する視察 PART2 三重県志摩市

愛知県西尾市役所に引き続き、志摩市役所の視察研修に参加しました。


平成23年11月21日(月)

先月の愛知県西尾市役所の視察に引き続き、三重県志摩市役所の視察研修に参加しました。

志摩市は現在約5万7千人程の人口規模で、平成20年8月に新庁舎が完成し、約330名の職員が務めておられる状況です。

新庁舎は鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造7階建で、免震構造、弾性すべり支承3基、鉛プラグ挿入型積層ゴム43基となっており、敷地内には立体駐車場(鉄骨増2階建)で駐車台数157台、平面駐車場40台を確保しています。

庁舎内の機能と空間整備方針

市民の皆さんが利用しやすく開かれた空間としての機能を重視し、わかりやすく、使いやすい庁舎とする。
また、来庁者に対してゆとりをもった動線計画とするとともに、セキュリティーや動線分離の観点から、来庁舎利用空間と執務空間を区分し、将来にわたる使用変化にも十分対応できるものとする。

【窓口部門の配置・形態】
窓口スペースは総合的な行政サービスの拠点として、分かりやすく、使いやすく、親しみやすい場とし低層階に配置する。

【防災機能部分の配置・形態】
地震・台風などの自然災害、火災等の災害発生時に備えた防災拠点としての機能を備え、有効確実にその機能を発揮できるものとする。

【執務スペース部門の配置・形態】
事務の執務に効率的空間であり、働きやすい環境であること。

【議会部門の配置・形態】
落ち着いた雰囲気の中で市民の代表として十分審議や調査研究が行えるよう議会部門と行政部門を明確に区分して配置し、市民に開かれた議会を目指す。

【福利厚生スペース部門配置・形態】
福利厚生施設は職員の利便性、効率性を考慮するとともに、一部施設については、来庁利用者についても配慮する。

【外構整備】
来庁者の利便性を考慮するとともに、敷地の有効活用を図るため、立体駐車場の検討をし、環境負荷の低減に配慮した都市景観を形成するとともに、災害時には防災広場としての利用も考慮する。


以下、視察事務局(津田議員)の視察報告書を掲載します。

三重県志摩市視察報告
視察日 平成23年11月21日 午後2時〜4時30分
視察者 瀧田啓剛、帯刀毅、中野正一、義本幸子、高橋久和、伊勢司
吉野省三、石黒喜隆、津田信人
対応者 杉本副議長、舟戸議会事務局長、三橋議会事務局議事課
西尾財政課長、阿部財務係長
視察目的 (1)庁舎建設事業について
(2)議会フロアー整備の概要について
(3)庁舎の見学

(1)庁舎説明について
人口  平成16年10月 6万1千人  現在5万7千人
庁舎内想定人員人数 350人 現在330人
対象議員定数    26人  現在22人
敷地        9,502�
建築面積      2,322�
延べ床面積     10,109�
階数        地上7階
構造        鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造(免震構造)
総事業費      庁舎建設工事費 2,961,892千円
          設計管理委託(基本設計、実施設計、管理費)
    116,025千円
          調査費        10,567千円
          補償費           859千円
          その他委託         673千円
          手数料等        2,606千円
          備品購入費      61,153千円
          懇談会、プロポーザル  1,555千円
開庁式、竣工式等      474千円
その他事務費     43,725千円
合計      3,199,529千円

(2)質問について
○庁舎の位置について?
合併協議会の中で新庁舎建設が決まっており、場所も決まっていた。
○決まった理由は?
交通の便利が良く、市の中心部であること、三重県の出先である志摩庁舎のすぐ横であること
○免震構造の費用について?
免震構造の部分だけについてははっきり数字を把握していない。
いろいろな地震を想定した(M8.5まで絶えるよう設定)結果免震構造とした。
○屋根が△になっているが意味があるのか?
雨水対策に有利、太陽光パネルの設置に有利である。
○ヘリポートの設置予定はあったのか?
県庁舎(横)にあるので必要性は感じなかった。
○建設業をゼネコン1社とした理由は?
工期及び敷地の広さ等も限られており、管理面を考慮した。
○建設において地元業者の配慮は?
下請け率を設けた(建設で30%以上、電気で15%等とした)
○職員駐車場や公用車駐車場について?
職員駐車場は市が民間等の駐車場を借り上げ職員から月1,000円を集金している。
駐車場は立体駐車場で240台中80台が公用車でありの駐車場の不足は感じていない。
○5つの庁舎があったがどのようになっているか?
1つは解体、4つは支所機能を残し10人ずつ配置、2階等は幼保一元化した活用や資料館として使っている。
○今後の支所の廃止は?
土地等が安くなっており売れないのが現状
支所にコストを掛けることは住民サービスと考え活用の方向で考えている
支所の利用推進会議でも議論されているが、なかなか廃止の方向付けができないのが現状である。ただしいずれ市民にも理解してもらえるときがくると思う。
○上下水道が庁舎内にあるが費用面でどのようにしているか?
上水道は企業会計のため使用料をもらっている。20人ほどの人員である
○ 安く庁舎が建設できた理由は?
鋼材が安いときに契約できたこと、各階で40センチ低く設定したこと、豪華な資材を使っていない、不要なエレベータを無くした等。
○ 基本計画について?
プロポーザル前に懇談会で作成されたのか?
○行政主導で懇談会運営をしたのか?何回程度懇談会を行ったのか?
17年に3回、18年に3回行い資料等は行政が作成した。


○ 議会の庁舎建設特別委員会はいつまで行ったのか?議会の役割は?
庁舎建設が終了するまで、役割は業者の選定、進捗状況の把握、議会フロアーの要望である
○ワークショップは何時どの様な形で行った?
基本設計を行う段階で市民の声を聞く目的で各団体から選出し2回行った。
市民の求めていることを主体として会議を進めた。
○ 3日間の自家発電が可能であるが燃料は?
地下タンクと最上階タンクで6,000ℓ準備している。


(3)考察
資料を見ても理解してもらえると思うが、コンパクトで使いやすい庁舎であると感じた。
免震構造の説明や設備を見学し、ゴムブッシュ構造となっていて、個々にダンパーは見当たらなかった。どこの庁舎を視察に行っても免震構造について自信を持っており、これからの建設工法であると確信した。
2階にレストランがあり、職員や市民も利用している。また、福利厚生室として職員が昼食や休憩する場所があった。ここでも防災対策室があり緊急会議室も設置されていた。
議会フロアーの議場の天井は真珠をイメージしたモニュメントのような構造となっており、議員席の机には足元のヒータが設置してあった。議員側に質問席が配置されっており、当局と対面して質問する構造になっていた。傍聴席は比較的低い位置になっていて議員と一体感が感じられた。議会フロアーは最上階にあり展望台が設置され、市民も訪問しやすいようになっていた。会派室は1人でも部屋が用意されていた。
当局の方からは、議会を理解してもらうためにCATV化や地デジ対応とすりことが望ましいとアドバイスを受けた。
庁舎の大きさや、配置職員数から見ても射水市が求めているサイズに適合していると感じた。ただ、6万人都市でこのサイズであることから、9万5千都市としてサイズ的に当市が求めているのは小さいのではないかと疑問に思う。前段の資料で見てもらうように、約32億円で建設されているところを見ると、それ以上の高額な建築物に感じられ当局や議会の工夫により安く建設できることを学べた。
建設後の反省ついてよいアドバイスは?の問いかけに�会議室をもっと多く作るべきであった。�資料室も不足しており余裕をもった構造にするべきである。�防災に関する物は上の階に置くべき。�維持管理がしやすく、エコ対応を考えた庁舎とすべきとのアドバイスを受けた。
いくつもの庁舎を見てきたが、それぞれに特色ある庁舎であり、コンセプトも様々で、やはり基本設計の段階までに、いろいろな意見の提言を受け、建設委員会等で意見を揉んだほうが良いと感じた。またプロポーザルにより多くの提案を受ける重要性を感じた。
JDM
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