質問項目 和田川浸水対策基本方針について
この基本方針に関しては、昨年7月の「和田川ダムの緊急放流」による増水が原因で、市内において発生した浸水被害に対する対策と認識をしており、今定例会の産業建設常任委員会の報告事項としての説明と、委員各位からの質問なども傍聴させていただいたが、私なりの視点から、もう少し質問をさせて頂きたい。
【質問】 先ず、質問に入る前に、委員会での質疑答弁での確認を 1点させて頂きたい。
それは、水門施設改良の優先度評価に関する表の中の製品価格及び工事費に関する質問において、ここに記載の製品価格は、あくまでもフラップゲート単体の価格であり、今後 既存水門施設の強度試験や、鉄筋の腐食調査などを調査したうえで、概略設計をし、和田川の管理者である県との協議を経て詳細設計を行わないと「工事費」というものが決まらず、現時点では未定である。・・・と言うことだと理解をしたのですが、合ってますか?
【回答:宮本 港湾河川課長】
合っております。
【質問】 私の経験値(建築の技術屋として)からして、堤防本堤を触らなくてはいけない場合におけるその補強工事や、施工方法に関する仮設工事などの金額の方が、相当に高いのでは?・・・と考えますが、今回、製品価格を記載された理由は?
【回答:宮本 港湾河川課長】
優先順位をつけなければいけないので、製品価格を記載しま した。
【質問】 委員会における(最後の部分の)質問にあったように、ロードマップに示されている「水門施設改良工事」(3門の)の終了までの対策が重要と考える。
委員会では、その対応策として仮設ポンプの借り入れやポンプ車の配置との答弁であったが、そもそも、各水門へ来る湛水量(排水能力の不足などにより、不要な水が溜まってしまう水量)は調査済なのか?
【回答:宮本 港湾河川課長】
各水門における実際の湛水量は把握していない。
但し、今回の業務では令和5年7月の豪雨時における河川水位データを基にして、和田川水位が水門はけ口天端に達した時に水門が閉鎖したと仮定して、水門閉鎖後からの実際の雨量データから湛水量を想定している。
【質問】 実際の雨量データとは、何処で計測されたデータか?
【回答:宮本 港湾河川課長】
今回の湛水量の想定は令和5年7月豪雨時を再現しているもので、近傍の浅井コミュニティセンターの雨量観測データを用いている。
【質問】 水門の閉鎖に関しては、昨年の経験からの対応策はどのようになったのか?
【回答:宮本 港湾河川課長】
令和5年7月豪雨時の、降雨状況、気象情報、和田川の水位上昇、和田川ダムの異常洪水時防災操作(緊急放流)を踏まえたタイムラインを作成し、同様の事態が発生した場合にとるべき行動を事前に
確認し備えている。
また、水門操作の連絡体制については、射水消防本部を通じて水門毎に担当する消防分団に確認してもらい、水門操作方法についても、担当する消防分団の代表者と現地で確認している。
【質問】 湛水処理用のポンプ釜場及び仮設電源の整備を先行 施工できないか?
【回答:宮本 港湾河川課長】
現在把握している湛水量は想定量である。
このことから、現状では排水ポンプの規模が確定できないため、排水ポンプ設備及び電源設備を先行施工することは、難しいと考えている。
したがって、当面の対策としては、本年度実施したように3号水門には仮設排水ポンプを配備するとともに、令和7度では2号水門にも同様の設備の設置を検討している。
【質問】 昨年設置した監視カメラ(5台)の活用方法は?
【回答:宮本 港湾河川課長】
今年度は、大雨洪水警報発令時には、和田川本江水位観測所の水位状況と監視カメラによる水門付近の排水状況を確認し、水門閉鎖への遅れが生じないよう備えた。
【質問】 昨年の和田川ダムの放流時における「余裕高」(堤防さと計画高水位の間に取っている余裕の高さの事)の確認(調査)はされているか?
【回答:宮本 港湾河川課長】
堤防余裕高の確認については把握していない。
【質問】 私が昨年の緊急放流から二日後に行った調査(地元の方
にも一部立ち会ってもらって)では、十一カ堰より上流の竹原地区及び堰の両岸で越水の跡を確認するとともに、荒町橋付近の左岸や堰下流の大門本江右岸など数か所で、堤防天端までの残余高さが50cm程だった地点があったが、今後の対策上、昨年の排出量以上の水量にならないための「対応策」について、県とどのような協議をされているのか?
【回答:宮本 港湾河川課長】
県では、昨年7月の和田川ダム異常洪水時防災操作(緊急放流)を踏まえ、出水期である6月から9月末の期間において、気象情報で洪水が予測される時には、ダムの貯水位をあらかじめ低下させ、治水容量を確保する対策が実施されている。
また、本市も参加した「ダム等に関する情報提供のあり方検討会」において、関係市町村への情報伝達のタイミングについて検討され、異常洪水時防災操作(緊急放流)に移行する可能性がある旨を関係市町村へ事前伝達されるように見直しされた。
【質問】 そこで、あえて聞きたいのであるが、庄川本流と和田川の合流点処理に関しては、国の「庄川水系河川整備計画」(後の庄川水系流域治水プロジェクト:令和3年)において、河川整備の当面の目標を令和19年までとされているが、昨年、会派で国交省を訪問した際には「今のところ、和田川の管理者である富山県からの相談はない!」・・・との話であったが、被害のあった基礎的自治体である「射水市」がこうした浸水対策基本方針を策定している今だからこそ、国と県そして射水市の三者による協議の場を設けるべきと考えるが?
【回答:宮本 港湾河川課長】
庄川と和田川の合流点改善事業に係る協議については、双方の管理者である国土交通省と県において、年1回程度実施されている。
本市がこの協議に参画することについては、現在行われている河川管理者による協議の進み具合によるものと考えており、協議内容の提供を受けながら、重点事業要望などの機会をとらえて打診してまいりたい。